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この夏、マレーシア・クアラルンプールの百貨店「SEIBU」に、8月14日(金)から20日(水)の期間限定で、日本の食の魅力を詰め込んだポップアップストアが登場します。
並ぶのは、人気お笑い芸人・河本準一さんが手がけるプロデュースブランド「準組(じゅんぐみ)」による甘酒と和菓子。
「Jun makes you smile」
──このスローガンを掲げて、お米や甘酒、アパレルグッズなどを展開する準組は、“人を笑顔にしたい”という河本さんの想いから生まれたブランドです。
お笑いの枠を越えて、おいしさを通して笑顔を届ける新たな挑戦。
その“笑顔づくり”の一環として始まったのが「準組」のプロジェクトです。
現在は日本全国、そして今後は海外へと活動の場を広げようとしています。
「芸人って、ステージやテレビの上だけじゃなく、人を笑顔にする存在のことだと思うんです。面白いもので笑う人もいれば、おいしいものを食べて笑顔になる人もいる。僕は、みんなを“笑いの世界”に連れていくことが、自分の仕事だと思っています。」
そう語るその表情は、やわらかく、まっすぐです。
今回の挑戦の裏側には、病を経て回復し、自らの生き方を見つめ直した河本さんの深い想いが込められていました。
2000年代、テレビに出ずっぱりだった「次長課長」時代。
過密スケジュールに心身を削る毎日で、生活も不規則、自分のことはもちろん健康のことにまで気が回らなかった多忙な日々。
「気づいたら膵炎になり、入院することになりました。」しかも一度ではなく二度。
急性膵炎によって、制限の多い生活を余儀なくされ、日常の当たり前が当たり前ではなくなることを身をもって実感されました。
3週間の絶食、点滴だけの日々。
「回復食として重湯が出て。ああ、“食べられる”って、なんてありがたいことなんだって感謝すると同時に、医学的に考えてもお米が日本人の体に合うものなのだと、その大切さを実感しました。」
その体験は、「食」と「命」のつながりを実感する大きな転機となりました。
退院後、河本さんは“食の大切さ”を軸に、次のステージを考えるようになります。
それまでも収録などで全国津々を訪れる機会があり、自分が「おいしい」と感じるものをもっと広めたいという気持ちを持つことが幾度もありました。
ある時友人におすすめされた大分県国東市で採れた朝来米を食べたところ、そのおいしさに感動。
「米作りのことは初めは何もわからなくて。でもこんなにおいしいお米なのに、認知度が低く販路が広がっていない現実を目の当たりにして、もっと多くの人に知ってもらいたい、自分にできることがあるんじゃないか、と思うようになりました。」
こうして2019年頃から始まったのが、「準組(じゅんぐみ)」プロジェクト。
大分や河本さんの地元・岡山の農家と連携して、米づくりや商品開発に関わるようになりました。
「農家さんの努力を“伝える”のは僕の役割かなって。美味しいのに広まっていないお米、いっぱいあるんですよ。それを届けていきたいんです。」
今回のマレーシア・SEIBUのポップアップでは、「準米」を使って作られた和菓子が登場予定です。
デニム柄パッケージが個性的な準米は、輸入の事情により今回は販売されませんが、そのお米のおいしさを活かした和菓子を通じて、その魅力を届けます。
米麹から作るアルコールフリー・シュガーフリーの甘酒「準甘」も登場予定。
健康志向の方やムスリムの方にも楽しんでもらえるようにと、素材や製法にもこだわった一品です。
和菓子もその準甘配合で、一般的な和菓子に比べて砂糖は控えめになっているのだとか。
「甘酒って、微生物の力で糖化された自然由来の飲み物なんです。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、美容にもいい。飲むだけじゃなくて、砂糖の代わりに料理やスイーツにも使えるんです。そういう食の面白さを、もっと気軽に体験してほしいですね」
「お米は、健康の源。甘酒の“準甘”にも、“準米”を使用した和菓子にも、自然の力と栄養がたっぷり詰まっています。体に優しくて、おいしい──そんな“笑顔の食事”を届けたいんです」
そんな準組の活動を続ける中で、2024年ごろに再び体調に異変が。
息苦しさ、動悸、不安感が頻繁に現れるようになっていたところ、とうとうある番組収録中に倒れ、救急搬送。
ついた診断は、「パニック障害」「うつ病」でした。
「まさか自分が、とショックでした。こんなに明るくて元気だと思っていたのに。でも無理していた自分を認めざるを得ませんでした。ゆっくり休むことが治療と言われ、ただ時間が過ぎるのを待つ毎日。表情もなくなり、意欲もわかない。電車にも乗れない、外出も怖い、そんな時期が続いて。でも、しばらく療養するうちに、ずっとそうしてるわけにはいかない。少しずつでいいから、前に進みたいと思うようになりました。」
仲間からの助けもあり、少しずつ回復に向かう中、“小さな一歩”として選んだのが、マレーシアへの旅。
テレビ番組で以前に知り合った、住みます芸人・KLキンジョーさんを頼り、初めてのクアラルンプールへと飛び立ちました。
パニック障害を持つ人にとって、何かあっても逃げることのできない機内、しかも約7時間のフライトはかなり高いハードル。
初めての渡航に不安はあったけれど、それでも飛行機に乗り、クアラルンプールに降り立ったとき、河本さんは“救われた”と感じたといいます。
「太陽の強さ、空の広さ、空気の軽さ──マレーシアで感じる全てが“気持ちいいな”って思えたんです。多民族国家だから、違うことが当たり前。誰かと比べる必要がない。ありのままを受け入れてもらえている空気があって。すごく自由な空気を感じて、心がスッと軽くなりました。」
マレーシアは「心の病院」と笑顔で語る河本さん、将来は住んでみたいと思うほどにマレーシアに魅力を感じたそうです。
今回SEIBUにて開かれる、「準米から作られた和菓子」と「準甘」を中心としたポップアップでは河本さん自ら現場に立ち、試食や体験を通して、その魅力を伝える予定です。
「僕の心を癒してくれたマレーシアで、たくさんの人に日本のおいしい和菓子や甘酒を伝えたい。“あ、美味しいな”って笑顔になってもらえたら、それが一番嬉しいんです。一緒に味わって、一緒に笑えたら最高やなって」
「何もできない時期もありました。家から出るのも辛かった時期がありました。でも、ある日、一歩だけ踏み出してみた。その小さな一歩で、景色が変わったんです」
「今、苦しんでる人がいたら伝えたい。いきなり走らなくていい。ただ、ほんの少しの勇気で、何かが変わるかもしれないって」
河本さんにとってはその一歩が、「マレーシア」であり、今回のポップアップ。
「芸人って、人生をまるごと見せる仕事だと思うんです。だったら、僕がやってきたことも、今やってることも、ぜんぶ見せたい。それが誰かの背中をちょっとでも押せたら嬉しいですね」
病を越えて、食と出会い、再び“笑顔”を届けるために立ち上がった河本準一さん。
河本さんの挑戦は、これからも続いていきます。
「岡山のデニムをはいたサムライが、デニム柄のパッケージのお米からできた“準甘”と和菓子を持ってマレーシアに上陸します!どちらも一口で笑顔になれる自慢の一品。人生をちょっと変える“ひと口”になるかもしれません。ぜひSEIBUのポップアップで、お会いしましょう!」
日程:2025年8月14日(木)~20日(水)
場所:SEIBU The Exchange TRX
いちご大福/みたらし・チョコレート・ピーナッツ団子/一口大福/わらび餅/ピーナッツ餅/クリームわらび/三色団子/桜餅