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量子力学への情熱を胸に世界へ  日本人インター生憧れのケンブリッジ大へ

量子力学への情熱を胸に世界へ 日本人インター生憧れのケンブリッジ大へ

2025.05.01 特別インタビュー

今回はマレーシアのインターナショナルスクールで研鑽を積み、この度見事ケンブリッジ大学からのオファーを手にした北栄嘉弥人(きたえかやと)さんにお話を伺いました。彼のマレーシアでの14年間、そして合格までの軌跡に迫ります。
 

憧れのケンブリッジ大学合格


ケンブリッジ大学合格おめでとうございます!今のお気持ちはいかがですか?

「ありがとうございます。長年の努力が実を結んでとても嬉しいです。自分を誇りに思います。現在はコンディショナルオファーの状態のため、5月のIBDP本試験に向けて、気を引き締めて最後の追い込みに励んでいます。」
 

ケンブリッジ大学を目指したきっかけは何だったのでしょうか?

「ケンブリッジのIGCSEを深く学ぶ中で、興味を持ち始めました。特に、IGCSEMathAddMathで満点を獲得し、「Top in the world」に選ばれ表彰されたことは大きな自信となり、ケンブリッジへの憧れをより一層強くしました。また、選択した物理を学ぶうちに、その奥深い世界に魅了されていったことも大きな理由です。ニュートンの母校というのも、僕にとって特別な意味がありました。」


ご縁を感じますね。大学では何を学ぶ予定ですか?

「自然科学を専攻する予定です。特に物理を通じて出会った量子力学の探求に情熱を燃やしています。ケンブリッジは自然科学分野で世界トップクラスなので、そこで学べることにワクワクしています。」


合格の決め手は何だったと思いますか?

「自分では明確な判断が難しいですが、出願エッセイでは量子力学への尽きない情熱と、ケンブリッジで学びたいという強い思いを精一杯表現しました。それが伝わったのかもしれません。オンラインインタビューでは、飾らない自然体で、笑顔を心がけ、ありのままの自分を表現することを意識しました。」


3つのインター、異なるカリキュラムを経験


マレーシアには14年間お住まいとのことですが、どんな印象をお持ちですか?

「やはりマルチカルチャーなところ、色々な文化の共存を間近に感じられるのはとても面白いと思います。」



14年の間に3つのインターナショナルスクールを経験されたそうですね。それぞれの学校でどんな学びがありましたか?

「最初に通ったオーストラリア系インターは、遊びを通して学ぶスタイルで、自由な雰囲気の中で生きた英語を身につけました。賞状やメダルをもらう機会も多く、とても自信がついたように思います。次に進んだイギリス系カリキュラムのインターでは、体系立ったカリキュラムで知識を吸収することの楽しさや大切さを学び、得意な分野がはっきりしてきました。そして今現在通っているNEXUSIBDPでは、主体的に学びを深めることや、勉強だけでなく多くのことを学びました。」



一番楽しかったカリキュラムは?

「楽しかったのは圧倒的にIBDPです。主体的な学び方や探求型の学習に楽しさを感じました。レポートの書き方やグループワークの進め方など、大学での学びがイメージできるような内容が多く、自分の成長を感じら

れました。」

 

IGCSEからIBDPに進むことを決めたきっかけは何でしょう?

「イギリス系インター時代のとても尊敬していた科学の先生が、僕の授業内での参加態度や周りのクラスメイトとの関わり方を見て、IBDPが絶対に向いているとアドバイスをくれたんです。マレーシアではIGCSE後にIBDPに進むケースはあまり多くないので、反対意見も正直ありました。でも尊敬する先生のアドバイスを信じてみようと、挑戦することに決めました。」
 


IBDPへの挑戦


NEXUSへは奨学生として転入されたと伺いました。

「はい。IGCSEの成績が良かったので(9科目全て最高ランクのA*を獲得)、IBDPプログラムの進学先を選ぶ際、奨学金で進学できるところを探しました。試験を受け、100%の奨学金が受けられる条件で転入しました。」



素晴らしい実績を積んでこられたのですね。IBDPスタート時に苦労はありましたか?

「はじめは今までの勉強中心で自分自身との戦いだったIGCSE生の生活とのギャップに苦労しました。IBでは学業だけではなく、幅広い課外活動とバランスを取っていかなければならないので。」



どのようにその困難を乗り越えたのでしょうか。

「やはり志の高い友人達に出会えたことが大きいです。国連を目指す人、第二のイーロンマスクを目指す人、僕も同じようになりたくて努力をしました。」

 

IBDPでは課外活動も積極的にされていたそうですね。

「はい。友人がボランティアクラブを立ち上げ、それに参加しました。そこでも志の高い友人に出会えたことは大きな財産です。ボランティア先探しから活動内容の決定まで自分たちで行ったので大変でしたが、とてもためになりました。」



ボランティア活動ではどんなことをされましたか?

「特別支援学校でのお手伝いや、ミャンマー難民の方の施設で英語や数学を教える活動です。自分たちで探したので大変でしたが、やりがいがあり、多くのことを学びました。」



学生生活で特に印象に残っている出来事はありますか?

IGCSE試験前に、友人たちと学校で一緒に勉強したことです。試験休み中も学校に集まって、教え合ったり、休憩中にたわいもない話をしたりと、大変な中でもとても楽しい思い出です。友人のおかげで頑張れたし、色々な経験ができ、視野が広がったと思います。」

 

タイムマネジメントと息抜きの時間


IBDPはタイムマネジメントが難しいと言われますが、工夫されたことはありますか?

CASに多くの時間を割く必要があったので、課外活動と勉強の時間を明確に分け、それぞれ別の日に集中するようにしていました。スケジュールを立てる時は、いつ始めるかではなく、いつまでに終わらせるかを最初に考えるようにしていました。」

 

多忙な中で、どのように勉強時間を確保していたのでしょうか?

「試験が近い今は、平日は23時間、休日は7時間ほどです。IGCSEの時も同じくらいでした。長時間勉強するより、短い時間で集中することに重点を置いています。」



集中力を持続させるコツはありますか?

「『ポモドーロテクニック』を取り入れていました。25分集中して5分休憩する方法で、集中力が持続するのでおすすめですよ!」

 

完璧すぎるように聞こえる生活ですが、息抜きはどのようにされているのですか?

「実はケーキ作りが趣味なんです。YouTubeを見て見よう見まねで作るうちに上達しました。材料の配分など、化学的な要素があって実験に近い感覚があります。あとは、小さい頃から「太鼓の達人」が大好きでよくやっています。リズム感が鍛えられたおかげで、バンドでドラムをしたり、ダンスも比較的早くマスターできました。」
 


ケーキ作りとゲームとは少し予想外でしたが、意外なところで活かされましたね()イギリスでも続けられそうな趣味ですね!

 

これからについて


ケンブリッジ大学の生活で楽しみにしていることはありますか?

「面接もオンラインだったので、まだ現地に行ったことがないんです。歴史ある建造物がたくさんあると聞いているので、色々見に行ってみたいです。」
 

将来の目標について教えてください。

「ケンブリッジ大学でより深く研究を重ね、その後も大学院に進んで研究を続けることができたらと思っています。大学教授も夢の一つです。教えることも好きなので、研究と並行して教えることのできる理想的な職業です。」


 

マレーシアで生活する日本人の後輩たちへメッセージをお願いします。

「自分の興味や情熱を大切にして、積極的に学びに取り組んでほしいと思います。困難なこともあると思いますが、周りの仲間や先生方を頼りながら、諦めずに努力を続ければ、必ず道は開けます。頑張ってください!」
 

編集後記:

嘉弥人さんのインタビューを通じて、目標に向かって努力する真摯な姿勢や優しい笑顔の奥にある強さが伝わってきました。マレーシアでの多様な経験が彼の成長の糧となり、弛まぬ努力によりケンブリッジ大学合格という素晴らしい成果に繋がったと言えるでしょう。嘉弥人さんの今後の活躍がとても楽しみです。


 

補足

IGCSE:イギリス発の国際的な中学卒業レベルの試験。

IBDP:スイス発の国際資格で、幅広い教科をバランスよく学ぶ高校最終課程。世界中の大学進学に対応。


 

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