モントキアラに新クリニック開院 海外で暮らす日本人の心と体に寄り添う森の花クリニック

2025年3月、モントキアラのShoplex2階に「森の花ファミリークリニック」が開院しました。Shoplexはサンウェイ163モールの向かいに位置し、アクセスは抜群。仕事や家事、育児で忙しい日常の合間に立ち寄りやすい便利な立地が魅力です。

院長を務めるのは、長年クアラルンプールの医療現場で日本人の健康を支えてきたシート先生。内科・小児科の一般診療に加え、眼科、皮膚科、心療内科（不眠症・うつ・不安障害）、メンズヘルス（AGA・ED・慢性疲労）、性病治療など、幅広い専門知識と豊富な臨床経験を持ちます。「今、その人に必要なケア」を見極め、心と体の両面から寄り添う医療を実践するシート先生に、お話を伺いました。

先生は日本人患者さんの診療経験が豊富だそうですね。日本人に対する医療にやりがいを感じられるのはなぜでしょうか。

日系のクリニックに勤務したのがきっかけです。実際に日本人の患者さんと接し、健康に対する意識の高さや、豊富な知識に驚きました。そして、医師の説明をよく聞いて、きちんと治療に取り組んでくれる。マレーシアの一般的な患者さんの場合、アドバイスをなかなか実践しない方が多く、薬の服用すら「数が多くて嫌だ」と言って続かないケースもあります。そうなると、再発や症状が悪化してしまうこともあるんです。「良くなろう」と努力してくれる日本人の姿勢に、医師として本当にやりがいを感じます。

日本人とのコミュニケーションで工夫していることはありますか。

日本人の方は診察中にわからないことがあっても、すぐには質問できず黙ってしまう方が多いんです。そのため診察後に「指示を誤解していた」ということも起こりえます。当院では、日本語通訳が常駐しています。通訳のティオさんは、日本の薬学部出身で医療の知識もあり、とても信頼できる方です。患者さんが安心して話せる環境を整えることは、とても大事ですね。

メンタルヘルスにも力を入れておられますが、日本人に多い精神的な不調とは？

引っ越してきたばかりの方によく見られるのは、環境の変化によるストレスや軽度のうつ状態です。特にご家族で移住された場合、働くご主人だけでなく、奥様やお子さんも同時に新しい生活に適応しようとしますから、家庭内にストレスが溜まりやすいです。
例えば、「集中できない」「ミスが増えた」という訴えはよく聞きます。日本人は特に「ミスをしてはいけない」という意識が強いですよね。精神的な不調によって脳の処理能力が落ち、注意力や集中力が低下してしまう。悪循環になる前に、早めの対処が必要です。

ストレスや不調は身体にも影響しますか。

精神面が不安定だと、ホルモンバランスや免疫力にも影響が出てきます。若い頃はストレス耐性も高いですが、40代以降はストレスへの反応も変わってきますから、年齢に応じた対策も必要です。

先生は、EDやAGAといったメンズヘルスも専門にされていますね。

はい。ED（勃起不全）は、加齢やストレスによって引き起こされることが多いんです。そしてEDがさらに精神的ストレスを生み出す…という悪循環に陥るケースもあります。治療は必要に応じて薬も使いますが、長期使用は基本的に避けています。ED治療薬は高価で、保険が効かないこともありますし、根本の改善が大切です。

加齢による他の問題にはどんなものがありますか。

40歳くらいから、男性ホルモンの分泌が少しずつ減っていきます。これが原因で「疲れやすい」「やる気が出ない」といった症状が出たり、AGA（脱毛）も進行します。育毛のための栄養補助や、脱毛の原因をブロックする治療も行っていますが、残根が残っていれば、早めのケアで十分回復の可能性がありますよ。

投薬以外の治療法もありますか。

これら加齢による不調には、たとえばニンニク抽出物を使った点滴などのアンチエイジング治療も提供しています。日本ではあまり馴染みがない治療かと思いますが、体力の回復や慢性疲労の改善に効果が期待できます。患者さん一人ひとりに合わせて治療法を提案するのが当院の強みです。

ファミリー層の来院も多いようですね。

はい。やはり、内科・小児科の診療で来られるご家族が多いですね。また、近隣の日系クリニックでは女性医師が多いようですので、婦人科系の専門的な検査や妊娠関連の相談は、近隣のクリニックを選ばれる方も多いようですが、それ以外の悩みは当院でもしっかり対応できます。私は、皮膚科に関するディプロマを取得しているので、例えばヘイズによる目の充血や、発疹・湿疹などの皮膚アレルギー、それに気管支系の病気など、お子さんによく見られる症状にも対応しています。また、外科的にも、小さな傷の縫合などであれば、当院内で対応ができます。当院は「ファミリークリニック」として、子どもから大人までご家族皆さんで通っていただけるようなクリニックを目指しています。

最近では学生の患者さんも増えているそうですね。

 留学やインターンで来ている学生さんの中には、精神的に不安定になっている方もいます。異国での生活環境や人間関係が原因ですね。また、特に若年層の患者さんに多いのが、性感染症（STD）です。放置すると周囲にも感染のリスクがありますから注意が必要な疾患です。現在の医療ではほとんどのSTDは薬でしっかり治せますので、早めの診察が大切です。再感染を防ぐための予防指導も含め、丁寧に対応しています。

最後に、日本人の患者さんへメッセージをお願いします。

海外では、ちょっとした不調は放置しがちですが、小さなサインに気づいて、早めに相談していただけると助かります。私たちは、「今、その人に必要な医療」を提供することを大切にしています。心と体、両方の健康を支えるパートナーとして、いつでもご相談ください。
 

森の花ファミリークリニック

15-1-10, Level 1 Shoplex, Jalan Kiara, Mont Kiara, 50480 KL
https://www.morinohana-clinic.com/

日本語直通番号 012-997 4882 
診察時間　09:30-13:30/14:30-18:30
休診日　金•土/祝日