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デザイナー岩野久美子氏
デザイナーの岩野久美子さんは、2009年より群馬県桐生市で衣服制作ブランド「リップル洋品店」を始動。活動の幅が広がり、ひとりひとりの絵図(絵に描いた地図)となれるよう2024年にブランド名を「ezu」と刷新。一本の糸から染め、織り、デザイン、販売のプロセスなど全てにコンセプトを持って活動している。Publikaにオープンした十割蕎麦レストラン元年堂のユニフォーム制作も担当し、商品の展示を行うことが決まった。今回、デザイナーであり代表取締役社長の岩野久美子さん、マーケティングを担当する役員の平岡謙一さんに話を伺った。
ezuの公式サイトはこちらhttps://www.ezu.garden/
子どもの頃から洋服に魅了されてきました。理想の服を作るのが好きで、小学生の頃は使わないカーテンやシーツを切って家庭用ミシンで服を作っていました。アンティークの服の糸を切って解きほぐし、どのように作られているのか学んだり、染色している現場を見せてもらったり、洋服に関わる研究を趣味として楽しんでいました。作った服を着ていると声をかけられることが増え、ブランドを立ち上げ販売することを決めました。2009年に「リップル洋品店」として、自宅敷地内のアトリエショップや、百貨店、マーケットで販売を始めました。今では海外から洋服を求めて訪れてくださる方もいらっしゃいます。
左:マーケティング担当 平岡 謙一氏 右:デザイナー岩野 久美子氏
糸一本から織り方、色、デザイン、販売方法に至るまで、製造から販売における全てのプロセスにこだわりを持っています。目に見える部分はもちろん、見えないプロセスも大切にしている理由は、選んでくれた方の大切な一着になるからです。洋服は愛着をもって長く着続けていく中で、着る人の思い入れや思い出を吸収して育っていきます。そして長く着ていただくためには、丈夫な素材、耐久性のある縫製が重要です。織物の街として1300年以上の歴史のある群馬県桐生市で、長く培われてきた技術や知識を活かしながら制作を行なっている理由です。身につける人が自分らしくいられる衣服を、たくさんの人たちにお届けしたいです。
元年堂が大切にしているコンセプト「しつらえ」に深く共感しました。元々しつらえとは、神事の際に場を整え空間を良い気で満たし、訪ねてくる人を心より迎える姿勢を意味します。お話のなかや細部までこだわって作られている現場を訪れたなかで、蕎麦の味だけではなく、日本文化を体感してもらいたいというコンセプトに共感し、ユニフォーム制作に携わることになりました。制作したユニフォームは、ひとりひとり違う、カスタマイズされたものです。縁があって集まった、国籍も性別も経験も年齢も、全て違った個性を持つ人たちが、同じ志を持って働いています。その個性と調和を、空間に作り出したいという思いで作成しました。展示スペースでは、日本の伝統技法を用いて制作した一点もののワンピースやシャツを展示販売いたします。ぜひ手にとって、日本文化の奥深さと美しさを楽しんでいただけると嬉しいです。
制作の面ではより多くの経験を通し、さらに深みが増した衣服を作っていきたいです。今日まで、さまざまな国の博物館や資料館、農場に足を運び、繊維や染色など衣服に関わることに触れてきました。今後も世界中でインプットした価値観を絵図、原画として描き出し、それをベースにテキスタイルを作成していきたいと思います。販売面では、オンライン販売の強化です。今までは、目の前のお客さまとの交流を大切にしたいとの想いから、アトリエショップやマーケットでのみ販売してきました。遠方のお客さまが増えてきたこともあり、今年3月よりオンラインショップをオープンしました。今後は世界中の方に手に取っていただけるように、まずはマレーシアを一拠点目として、アジア圏、そしてヨーロッパなど世界中に広げていきたいと考えています。年内にはマレーシアでオンライン購入ができるように構築中です。楽しみにしていてください。
ezuの公式サイトはこちら