ホームインタビュー加藤登紀子さん 愛の歌で魅了 日本人ポップス歌手初!ペトロナス・フィルハーモニック・ホールでの公演
加藤登紀子さん 愛の歌で魅了   日本人ポップス歌手初!ペトロナス・フィルハーモニック・ホールでの公演

加藤登紀子さん 愛の歌で魅了 日本人ポップス歌手初!ペトロナス・フィルハーモニック・ホールでの公演

2023.10.05 特別インタビュー

9月20日、歌手の加藤登紀子さんのクアラルンプール公演が開催され、マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団(MPO)と共演した。会場のペトロナス・フィルハーモニック・ホールで日本人ポップス歌手が歌うのは加藤さんが初めて。およそ2時間にわたって全21曲を歌い、日本からかけつけたファン、在マレーシア日本人、そしてマレーシアの人々誰をもの心を愛あふれる歌で魅了した。 

真っ赤なドレスで登場した加藤さんはまず、自身の人生で大切にしているという「愛のくらし」「この空を飛べたら」「知床旅情」の3曲を披露し、日本語と英語で公演を心待ちにしていたと挨拶した。 

今回は、オーケストラとの共演に合わせて特別に曲をアレンジ。いつもはギターで弾き語りをしている代表曲の一つ「ひとり寝の子守唄」は、ピアノとチェロの伴奏で歌い上げた。また前半最後には、東日本大震災の際にマレーシアの人たちに支えてもらったことへの感謝を述べた上で、復興支援ソング「花は咲く」を披露。これからも皆さんと心を寄せ合い一緒に歌っていきたいと呼びかけると、会場からも歌声が響いた。 

後半は、ラブソングを中心に選曲。1曲終える毎にオーケストラの演奏を讃え、会場に深くお辞儀をする姿が印象的だった。後半最後の曲は、「百万本のバラ」。ラトビアの作曲家が作り、ロシアの詩人が歌詞をつけた歌謡曲を、加藤さんが日本語に訳して歌い継いできた曲だ。今回の公演のタイトル“~海を越えて心をつなぐ愛の歌~”を象徴するかのような国境を越えた音楽に、会場はスタンディングオベーションで拍手を送った。 



アンコールでは3曲を披露。マレーシアの曲「グタランジーワ」をマレー語と日本語で歌うと、会場からは歓声が沸いた。また、阿久悠さんが作詞し、加藤さんが作曲した「富士山だ」では、演奏するオーケストラのメンバーからも笑顔が溢れた。 

恋人への愛、故郷愛、そして人類愛とさまざまな愛が伝わってきたマレーシアでのステージ。公演直後の加藤さんに、エムタウンはお話を伺った。

公演の感想をまず聞かせてください

入念なリハーサルを行いましたが、それでもMPOとの初共演はドキドキでした。なんだかまだ渦巻きというか、ハリケーンの中にいるようです。

形の異なる愛がたくさん伝わってきました

MPOレジデントコンダクターの古澤直久さんが、曲目についても相談にのってくださるなど、今回本当に一生懸命にやってくださいました。歌詞に寄り添うようにフレーズが入ってくるアレンジがなされ、楽器が対話してくる感じになって。オーケストラと噛み合った時に、翼が広がりましたね。

加藤さんにとって歌うこととは

歌が持ってる力を、そのまま届けることができればと思って歌っています。歌が力を発揮することを願っているんです。だから、コンサートにいらしてくださった方の、受け取ったという表情が伝わってきた時にたまらなく嬉しくなります。今日は特に、表情が伝わってきましたね。 

ただ、歌手になった最初のころは、その醍醐味がわからなくて。ステージと客席には距離があって届くわけがない、歌手というのは孤独な仕事だなと思っていた時もありました。しかし知床旅情がヒットしたころから、驚くように歌が届く嬉しさみたいなのを感じるようになって。キャッチボールのように確実にお客さんに届いた瞬間が、本当に嬉しい。だからずっと一生懸命、丁寧に届くように歌っています。

歌が加藤さんの人生を表しているようにも

ほぼやるべき人生を歌が語ってくれていて、私自身の人生がその中に全部見えてくるんですね。

例えば「難破船」「帆を上げて」「今あなたに歌いたい」は、いずれもラブソングだけど別れてしまった恋の歌。別れ方が素晴らしいというのもおかしいけれど、それが私が目指しているものなんですね。素晴らしい別れが、一番の宝物だから。「難破船」は、どん底みたいな気持ちだけれどやはり大好きだったというのが溢れてくるし、「帆を上げて」も、大好きだけど私は1人で生きます、という。「今あなたに歌いたい」は、こんなに離れちゃったけど想っていますよと別れの曲を通して大好きという気持ちを伝えている歌。それが私の好きなラブソングのスタイルです。

「グタランジーワ」では会場が特に盛り上がりました

この曲も、こちらでアレンジを加えました。曲に馴染んでいるMPOのメンバーも、今回のアレンジが今まで演奏した中で一番良かったと言ってくれて。お客さんも喜んでくださって、嬉しかったですね。

最後に

みんなで一緒に作り上げた公演だったので、ここまで練習したなら、もう少しやりたいなという気持ちです。
これがビギニング。皆さま、またマレーシアでお会いしましょう。

日本から訪れたファンの方々と一緒にマレーシア観光も満開

写真提供:株式会社トキコ・プランニング

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