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2027年に創立100周年を迎える芝浦工業大学。理工系教育に特化した同学が掲げる長期ビジョン「Centennial SIT Action」は、「アジア理工系大学トップ10」という高い目標に挑戦しています。
今回はその背景と意図について、山田純学長にお話を伺いました。
1927年、創立者・有史郎により東京高等工商学校として創立されました。
彼は「これからの日本には、技術者の育成こそが最重要である」との念から、東京・大森の地に学校を設立しました。以来、「社会に学び、社会に貢献する技術者の育成」という建学の精神を、約100年にわたって受け継ぎ推進しています。
その後、校名の由来でもある芝浦地区にキャンパスを移転。現在は豊洲と大宮に2つのキャンパスを構え、4学部・大学院において約1万人の学生が学ぶ理工系総合大学として発展しています。
日本社会は、少子化や多様性の進展により、高等教育機関も進化が求められています。
本学は2014年、文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」に、私立理工系大学として唯一採択されました。これを契機に、「世界に学び、世界に貢献するグローバル理工系人材の育成」を教育理念として掲げました。
これは単に海外で学ぶことではなく、地球規模の課題に対して、多様な価値観や文化を理解しながら、主体的に解決に取り組む力を育成するという意味を含んでいます。そのため、世界236大学と国際協定を結び、留学生の受け入れや学生の派遣を積極的に行っています。
本学は2016年からこの目標に向けて具体的な準備を進めてきました。「スーパーグローバル大学創成支援事業採択校」としての経験を踏まえ、教育・研究・ダイバーシティ・社会連携の各分野で、国際的な評価に耐えうる大学づくりを進めています。
たとえば、年間約1,400人~1,600人の外国人留学生を受け入れると同時に、本学の学生を海外の協定校に年間1,900人程度送り出しています。語学研修だけでなく、GPBL (Global Project-Based Learning)という、異なる国の学生が協働で社会課題に取り組むプログラムを実施しています。
このビジョンは次の5つの柱から構成されています。
1. 理工学教育 日本一
2. 知と地の創造拠点
3. グローバル理工系教育モデル校
4. ダイバーシティ推進先進校
5. 教育DX・学修支援のトップランナー
各柱に20項目以上のKPIを設定し、学長補佐の教員と関係部署の職員が「教職協働」で取り組んでいます。特に教育DXでは、オンラインと対面授業の融合により、革新的な学びの形を実現しています。
本学では、理工系分野において国際的に活躍できる人材の育成を目指し、工学部に「先進国際課程(IGP)」を設置しています。この課程では、学部教育をすべて英語で提供しているのが大きな特徴です。
また、世界的に技術革新や国際化が急速に進む中、複数の理工学分野が融合する最先端の研究領域にも対応できる人材を育てるため、「Research Based Learning (研究プロジェクトを通じた能動的学習)」を初年次から4年間継続して行っているのも特徴の一つです。
このプログラムでは、国内のインターナショナルスクールや国際教育に力を入れている高校、さらに海外の高校の卒業生を中心に、世界中から多様なバックグラウンドを持つ学生を受け入れています。
本学では、1年次から自分がどの分野で、どのような仕事をしたいか」を考えるキャリア教育を実施。高学年ではキャリアカウンセラーの伴走のもと、企業分析や必要な知識の習得支援も行います。
OBによる企業情報の提供や就職準備の支援も充実しています。その結果、2024年度卒業生の就職率は99.3%、女子学生の就職率は100%を達成しました。有名企業400社への就職率も41.2%と高く、国内の大学で7位にランクインしています。
さらに、BOiCE (Bay Area Open Innovation Center)を中心に、起業支援や産学官連携によるベンチャー育成にも注力し、地域活性化を目指しています。
次の100年に向け、本学は少子化時代においても魅力ある大学であり続けるため、教育と研究のグローバル化を一層強化していきます。教育面では一部学部の課程制移行、研究面では外部資金の活用や海外大学との連携を推進します。
また、アジア全体を視野に、タイ、インドネシア、そしてマレーシアにサテライトオフィスを設置し、より実践的なグローバル連携を推進します。
特に、本学は1993年からマレーシア政府による高等教育円借款事業(HELP)の幹事大学として、同国学生の日本留学を支援してきました。現在はUniKL-JUP(Universiti Kuala Lumpur - Japan Collaboration Programme)として進化し、2,000人以上のマレーシア人学生が日本の大学で学位を取得しています。
2024年2月には、本学とマレーシア政府との友好関係の象徴として、本学の国際化に多大に寄与されたマレーシア副首相(地方地域開発省の大臣)アフマド・ザヒド・ハミディ氏に対し、芝浦工業大学より名誉博士号を授与しました。
芝浦工業大学は、これからも「世界に貢献する理工系人材の育成」を使命に、グローバルな舞台で新たな100年に挑み続けます。
工学部、システム理工学部、デザイン工学部、建築学部、大学院理工学研究科
学生数:9,867人(学部:7.939、大学院:1,928人)
芝浦工業大学:
https://www.shibaura-it.ac.jp/
BOiCE(ベイエリア・オープンイノベーションセンター):
https://www.shibaura-it.ac.jp/research/industry/boice.html