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今年で49回目を迎えた「盆踊りフェスティバル」が、2025年7月12日(土)・13日(日)の2日間にわたり、サンウェイ・シティ・クアラルンプールにて開催されました。
今回から、ペタリンジャヤにあるサンウェイ・ピラミッド・ショッピングモールの屋外駐車場へ会場を移し、新たなスタートを切りました。
このフェスティバルは、1977年に在留邦人の子どもたちに日本文化を体験してもらうことを目的に始まったPTA主催の小さな催しが原点です。
現在では、在住邦人のみならず、地元マレーシア人や観光客にも広く親しまれるようになり、毎年約3万人を動員する国際的な文化イベントへと発展しています。
今回は史上初となる2日間の開催で、のべ来場者数は5万人に達しました。
「ビジット・セランゴール・イヤー2025」にもあたる今年、日本とマレーシアの文化交流の場としての意義が、例年以上に感じられる2日間となりました。
会場となったサンウェイ・シティは、年間4,200万人以上が訪れるマレーシア屈指の観光・商業エリア。
大型モールやテーマパーク、ホテル、大学、病院などが集まる統合型タウンシップとして知られており、利便性とアクセスの良さもイベントの盛況を後押ししたといえるでしょう。
ステージプログラムは午後4時から夜11時まで行われ、和太鼓の演奏を皮切りに、セランゴール州観光局やサンウェイのパフォーマンスチームによるステージ、3回に分けて行われた盆踊りパフォーマンスなど、多彩な催しで観客を魅了しました。
なかでも、クアラルンプール日本人学校中学部の生徒たちによる盆踊りは大きな拍手を集めました。
堂々と日頃の練習の成果を披露する姿からは、若い世代による文化継承の意義が伝わり、観る人の胸を打ちました。
会場中央のやぐらを囲んで、日本民謡に合わせて多国籍の人々が輪になって踊る光景は、まさに文化の懸け橋。
国籍や言語を超えて一体感が生まれ、盆踊りの持つ普遍的な魅力を再認識させてくれる時間となりました。
会場内に設けられた「Pingminマーケット」には、日本の屋台グルメからマレーシアのローカル料理まで、幅広いメニューが揃い、多くの来場者で賑わいました。
浴衣姿の人々が屋台を回り、たこ焼きや焼きそば、唐揚げなど、なじみの“お祭りの味”を楽しむ様子が印象的でした。
ハラル対応とノンハラルを明確に分けた屋台配置や表示など、誰もが安心して食事を楽しめる工夫も随所に見られました。
マレーシア人の来場者の中にも浴衣姿が多く見られ、屋台の前では日本語、英語、マレー語が飛び交い、国際色豊かなフェス空間が広がっていました。
今回の盆踊りフェスティバルは、クアラルンプール日本人会、日本大使館、サンウェイ・グループ、クアラルンプール日本人学校の共催により実現しました。
サンウェイ・グループが共催に加わるのは今回が初めてです。
同グループのチャンCEOは開会スピーチで、「盆踊りは日本とマレーシアの文化的な絆を深める重要な機会。今後も両国の友好と交流を推進していきたい」と述べ、継続的な文化支援への意欲を示しました。
1977年に始まったこの行事が、時代や世代を超えて多くの人々に開かれた祭りへと育ち続けていることは、日本文化の「今」と「これから」を象徴する出来事とも言えるでしょう。
来年はいよいよ第50回という大きな節目。
多くの人々の努力と支えによって続いてきたこの夏の風物詩が、今後も日本とマレーシアの交流を深める舞台として輝き続けることを願ってやみません。