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東京に本社があるバイオベンチャー企業のユーグレナは8月17日、マレーシア工科大学・マレーシア日本国際工科院(MJIIT)と、微細藻類や植物といった生物資源(バイオマス)の共同研究に関する連携協定を結んだ。協定期間は3年。国際協力機構(JICA)が技術協力プロジェクトを通してMJIITの活動を支援しており、その一環で連携協定締結が実現した。
MJIITのキャンパスにユーグレナのサテライトラボを開設し、大学の研究ノウハウを取り入れながら、共同でバイオマスの生産や利用に向けた研究を行う。マレーシア人研究員4人を雇用するほか、共同研究に携わる大学院生3人に奨学金を付与し、人材の育成にも取り組む。
微細藻類はバイオ燃料の原料として注目されているが、すでにヘルスケアや美容の分野でも活用が進んでいる。
微細藻類の成分が血糖値上昇を抑制することを示唆する研究結果もあることから、ユーグレナの丸幸弘最高研究開発責任者(CRO)は、「糖尿病患者が多いマレーシアの人たちのためにも、研究を役立てたい」と抱負を語った。
ユーグレナは今年5月、同じくMJIIT内に「熱帯バイオマス技術研究所」を設立している。さらにマレーシア国営石油大手ペトロナス、イタリア石油・ガス大手エニと3社共同で、ジョホール州にある東南アジア最大級の石油コンプレックス内に、バイオ燃料製造工場の建設も検討中だ。
「熱帯バイオマス技術研究所」の稲葉遊所長は、「マレーシアは生物資源が豊富で、気候も一年を通して安定しており、微細藻類の培養に必要な太陽光に恵まれていると言う点で、研究に最適な場所」と話す。加えて、英語でコミュニケーションがとれることも、研究を進める上で大きいという。
また、「現地調達できる原料と技術を組み合わせることで、ローカルサステナビリティが実現できる。マレーシアであれば、持続的に課題解決に向けて取り組める」と丸氏は言う。
ユーグレナは、MJIITに各国の藻類研究者が一同に介す機会を作り、共同研究の成果を定期的に報告していく。