ホームタウン情報コクレア社、マレーシアおよびASEAN地域で30周年 難聴ケアの歩みと革新的なスマート人工内耳を発表
コクレア社、マレーシアおよびASEAN地域で30周年 難聴ケアの歩みと革新的なスマート人工内耳を発表

コクレア社、マレーシアおよびASEAN地域で30周年 難聴ケアの歩みと革新的なスマート人工内耳を発表

2025.12.03 ローカルレポ

Cochlear Ltd(コクレア社)は、11月13日にマレーシアでの人工内耳プログラム開始から30年の節目に合わせ、記者会見を開催。

会場には、コクレア社のアジア太平洋・ラテンアメリカ担当プレジデントのStuart Sayers氏、グローバルCTOのJan Janssen氏、アジア成長市場ゼネラルマネージャーのAmy Zheng氏が登壇し、地域への継続的な社会貢献およびこれまでの歩みと新技術の意義について語った。

写真(右から):
コクレア社 グローバル最高技術責任者(CTO)のJan Janssen氏
アジア太平洋・ラテンアメリカ担当プレジデントのStuart Sayers氏
コクレア社アジア成長市場ゼネラルマネージャーのAmy Zheng氏

コクレア社について

Cochlear Ltd は、人口聴覚ソリューションの世界的なリーディングカンパニーとして、約40年間にわたり先進的な聴覚テクノロジーを提供してきた企業である。

1995年にマレーシアで初の人工内耳プログラムが始動して以来、同社は東南アジア地域で1万人以上に“聞こえる”体験を届け、世界では累計75万人以上がその技術の恩恵を受けている。聴覚ケアの未来を切り開くグローバル企業として、長年にわたり人々の生活に寄り添い続けている。

増え続ける難聴人口、アジア太平洋地域の実態

世界保健機関(WHO)によれば、2050年までに世界で約25億人が何らかの難聴を抱えると推計しており、特に若年層では、安全でないリスニング習慣によって回避可能な聴力損失のリスクにあるとされる。マレーシア政府の統計では、2023年時点で国内に約42,652人の聴覚障害登録者が存ることが紹介された。

また、人工内耳を必要とするレベルの重度難聴にもかかわらず、世界的には「恩恵を受ける可能性がある成人のうち、実際に人工内耳を利用しているのは20人に1人程度」というデータも示されており、適切なテクノロジーへのアクセスが課題となっている。

難聴は「当たり前の聴こえ」が失われることであり、聴覚の課題は身近な社会問題となっている。

アジア太平洋における難聴の10の事実

・世界全体で5人に1人が難聴を経験しており、2050年には4人に1人(25億人)に増加すると予測されている。

・難聴による経済的損失は 3,280億ドルに達すると試算されている。

・西太平洋地域は、世界で最も難聴の有病率が高い地域と推定されている。

・西太平洋地域において、約7%が何らかの難聴を抱えている。

・西太平洋地域だけで 5億4,600万人が難聴を抱え、うち3,800万人は子どもである。

・2050年には、西太平洋地域の難聴者数が7億6,000万人に達すると推計されている。

・西太平洋地域には 65歳以上が2億4,500万人以上暮らしており、2050年にはこの数が倍増すると予想されている。

・60歳以上の3人に2人が何らかの難聴を経験している。

・人工内耳の潜在的な候補者のうち、実際に利用できている成人は 20人に1人程度にとどまっている。

・軽度~中等度の難聴には補聴器、重度~高度難聴には人工内耳など、早期診断と適切な介入が生活を大きく改善するとされる。

※西太平洋地域には、日本、韓国、中国、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなど37の国と地域が含まれます。

新たな補聴技術、スマート人工内耳について


今回、同時発表された「Cochlear™ Nucleus® Nexa® System」は、“スマート人工内耳”として、内蔵メモリーと アップグレード可能なファームウェアを備えている点が大きな特徴である。これにより、従来の機器では難しかった「将来の技術革新をファームウェア更新で取り込む」という仕組みが可能になる。

システムは、耳の外側に装着するサウンドプロセッサーと、耳の内側に埋め込まれたインプラントが連携して作動。サウンドプロセッサーが音をデジタル信号に変換し、インプラントへ送信。内蔵メモリーには個々の聴取データが安全に保存され、必要に応じて新しいサウンドプロセッサーへも引き継ぐことができるという。

さらに、環境音に応じて自動で音処理を調整し、電力消費も最適化するなど、日常生活での使いやすさを高める機能が搭載されている。

会見では、長年にわたる研究投資と技術開発の結晶として本システムが紹介され、「より多くの人が聞こえる喜びを手にできるように」という企業の姿勢が示された。

今回の発表は、マレーシアで始まった人工内耳の歩みが30年を迎える節目において、聴覚ケアの未来に向けた新たな一歩と言える。

難聴人口の増加が予測される中、将来の技術進化を取り込みながら利用者の生活を支える“スマート人工内耳”の登場は、地域における聴覚支援の可能性を大きく広げるものとなりそうだ。

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