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オタフクソースマレーシア、ヌグリ・スンビラン州に新ハラル認証工場を開設

オタフクソースマレーシア、ヌグリ・スンビラン州に新ハラル認証工場を開設

2025.12.25 ローカルレポ

日本食需要の拡大と中東・欧州市場への輸出強化へ 

オタフクソースマレーシア(Otafuku Sauce Malaysia Sdn. Bhd.)は、ヌグリ・スンビラン州センダヤン・テックバレーにオフィスと工場を移転し、ハラル製造工場として認証を取得した同社施設で、グランドオープン記念式典を開催した。

同社は、日本のオタフクソース株式会社と当地スシキング・ホールディングス社による合弁企業。新施設は2025年7月より稼働しており、マレーシア国内で高まる日本食需要への対応に加え、アジア、中東、欧州への輸出拡大を見据えた生産拠点として位置づけられている。

式典当日は、駐マレーシア特命全権大使の四方 敬之氏をはじめとする大使館やマレーシア政府関係者、食品業界関係者が出席。テープカットや工場見学に加え、同社のハラル認証調味料を使用した調理デモンストレーションが行われた。お好み焼きや寿司のライブ調理や様々な日本食などのメニューの提供を通じ、JAKIM(マレーシア・イスラム開発局)認証工場で製造される製品の品質と汎用性が紹介された。

オタフクソース・マレーシアは2016年に設立。ハラル対応のお好みソースをはじめとする調味料の製造・販売を通じ、イスラム市場における日本食文化の普及に取り組んできた。日本食人気の高まりを背景に生産量は年々増加しており、今回クラン市より移転し、約5,000万リンギット(約15億円)を投じて新工場の建設・拡張を実施。半自動充填システムや小袋包装設備を導入し、従来比で約8倍の生産能力を実現している。


オタフクホールディングス株式会社 社長の佐々木 直義氏は、オープニングセレモニーで関係者への感謝を述べるとともに、企業理念である「食を通じて“健康と豊かさと和”をもたらし、笑顔あふれる社会に寄与していく」ことを強調。2016年のマレーシア進出の背景やハラル認証取得の意義について語り、「新工場は、日本の味と品質を守りながら、世界に安心とおいしさを届けるための重要な拠点になる」と述べた。

マレーシア投資開発庁(MIDA)のCEOであるダトゥク・シク・シャムスル・イブラヒム・シェイク・アブドゥル・マジッド氏は、本件について書面でコメントを寄せ、「本プロジェクトは、マレーシアを世界のハラル産業の中核拠点とする国家戦略と合致している。日本企業による高付加価値投資の好例であり、両国のパートナーシップを一層強化するものだ」と述べた。

また、同社の戦略的パートナーである、テクスケムグループ(スシキング・ホールディングス社の親会社)会長の小西 史彦氏は、「2016年の設立以来、同社は着実な成長を遂げ、日本に加え、インドネシア、シンガポール、中央アジアなどへの販売も拡大している。新工場はアジアの発信拠点として、地域社会への貢献と世界への価値提供を担う存在になる」と述べ、日本とマレーシアの関係深化への期待を示した。

さらに、四方 敬之大使は、オタフクソースが100年以上の歴史を持つ日本を代表するソースメーカーであり、品質と誠実さを大切にしながら日本の食文化を世界に広げてきた点を高く評価。ハラル認証を取得した同社製品が、マレーシアにおける日本食文化のさらなる普及に寄与することへの期待を示した。また、食文化は人々を結び付け、相互理解を深める力を持つと述べ、オタフクソースが日本とマレーシアの架け橋として果たす役割に大きな期待を寄せた。


現在、オタフクソース・マレーシアでは、お好みソース、キムチソース、てりやきソース、すし酢など、およそ100種類のハラル対応調味料を製造。製品構成は自社ブランド約40%、受託製造(ODM)約60%で、お好み焼など日本の粉ものメニューに加え、寿司やラーメンなど多様な外食業態向けのメニューソリューションも提供している。

売上の約8割はマレーシア国内向けだが、インドネシア、シンガポール、英国、UAE、日本などにも輸出。今後は展示会やEコマースを活用し、中東・欧州市場での展開をさらに強化していく方針だ。

オタフクソースマレーシア(OTAFUKU SAUCE MALAYSIA SDN. BHD.)
PT42833,Jalan Techvalley 1/2,Sendayan Techvalley,71950 Bandar Sri Sendayan,Negeri Sembilan,Darul Khusus,Malaysia

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