ホームタウン情報在マレーシア日本国大使館主催、「新日馬産業協力セミナー」開催 産業協力の新たな一歩に
在マレーシア日本国大使館主催、「新日馬産業協力セミナー」開催 産業協力の新たな一歩に

在マレーシア日本国大使館主催、「新日馬産業協力セミナー」開催 産業協力の新たな一歩に

2026.04.09 ライフスタイルレビュー

2026年3月31日(火)、KL中心部のEQ Hotel Kuala Lumpurにて、在マレーシア日本国大使館主催による「新日馬産業協力セミナー」が開催された。

本セミナーは、マレーシア投資開発庁(MIDA)の協力のもと、マレーシア日本経済協議会(MAJECA)、日本マレーシア経済協議会(JAMECA)、日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力銀行(JBIC)、マレーシア日本商工会議所(JACTIM)など、多数の関係機関が連携して実施されたものである。

会場には政府関係者、企業経営者、学術関係者など多岐にわたる参加者が集まり、オンライン配信も同時に行われたことで、日・馬双方から高い関心を集めた。

セミナーのテーマは「共通の未来に向けた産業パートナーシップの強化」。

近年の世界的課題であるサプライチェーン再編、経済安全保障、エネルギー転換、AI・半導体技術の発展などを背景に、日本とマレーシアがいかに連携し、持続可能かつ強靭な経済関係を築いていくかを議論する場として位置付けられた。

特に、両国が持つ強みを相互補完的に活かすことで、戦略的な経済連携の新たな道を模索する内容となった。

オープニング

在マレーシア日本国特命全権大使の四方敬之氏は開会挨拶において、変動の激しい国際環境下での日・マレーシア間の産業協力の重要性を強調した。

日本成長戦略会議が掲げる重点分野とマレーシアの国家ビジョンであるMADANIの方向性には多くの共通点があり、特に半導体、AI、GX(グリーントランスフォーメーション)、LNGなどの分野における両国の連携が期待されると述べた。

続いて、マレーシア投資・貿易・産業省(MITI)副大臣のSim Tze Tzin氏は、マレーシアの産業政策と日本の成長戦略の親和性に言及。

半導体、GX、経済安全保障分野における協力の意義を指摘し、MADANI経済フレームワークや第13次マレーシア計画(RMK-13)を通じて、競争力と包摂性を兼ね備えた経済の実現を目指していると説明した。

さらに、マレーシア首相府上級政治顧問でありMIDA会長のTengku Zafrul Aziz氏は、50年以上にわたる日・マレーシア関係の歴史を踏まえ、半導体、特殊化学品、航空宇宙、電気自動車、グリーン技術、デジタル産業など幅広い分野での連携拡大に期待を示した。

特に、日本企業にとってマレーシアは安定した投資先であり、戦略的な生産・供給拠点となり得ることを強調した。

経済産業省審議官(通商政策局担当)の小見山康二氏は、AIや半導体などの戦略産業への投資、人材育成、産業競争力強化を通じて、日・マレーシア協力をより包括的な経済連携へと発展させる必要性を述べた。

また、マレーシア日本経済協議会(MAJECA)会長のTan Sri Azman Hashim氏は、長年にわたり築かれた両国の経済関係を基盤に、次世代産業を見据えた新たな協力への期待を表明した。

パネルセッション

セミナーでは、次の3つのパネルセッションが行われた。

1.経済安全保障・サプライチェーン

最初のセッションでは、世界的な地政学リスクの高まりを背景に、安定的にモノを届けるサプライチェーンの重要性が議論された。

近年では「安く・早く」だけでなく、「止まらない」「偏らない」サプライチェーン構築が不可欠であり、日本とマレーシアの連携強化の必要性が再確認された。

●    基調講演:鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授/日本成長戦略会議委員)

●    モデレーター:Prof. Dr. Ong Kian-Ming(テイラーズ大学対外連携担当副学長/元マレーシア国際貿易産業副大臣)

●    登壇者:小見山康二、鈴木一人、菊地洋(JBIC常務執行役員)、Dato' Prof. Ulung Dr Rajah Rasiah(国立マラヤ大学特別教授)、Tan Sri Nazir Razak(元ASEAN-BAC議長)


2.資源・エネルギー安全保障/GX

二つ目のセッションでは、脱炭素化と産業成長の両立がテーマとなった。

GX(グリーントランスフォーメーション)、エネルギー転換、CCS、持続可能燃料などについて議論され、日本の先端技術とマレーシアの資源・産業基盤の統合可能性が注目された。

●    基調講演:竹内純子(国際環境経済研究所(IEEI)理事・主席研究員/日本成長戦略会議委員)

●    モデレーター:Prof. Dr. Ong Kian-Ming

●    登壇者:竹内純子、出雲充(ユーグレナ創業者)、Dato’ Sri Zainal Abidin Ahmad(Perodua社社長兼CEO)、Ms. Marina Md Taib(PETRONAS上級副社長)


3.AI・半導体

最後のセッションでは、AIと半導体を中心に、産業競争力強化のための協力可能性が議論された。

人材育成、研究開発、産業高度化、国際連携を通じて、日本の技術力とマレーシアの製造基盤を生かす道が示された。

●    基調講演:伊藤錬(日本成長戦略会議・AI・半導体専門作業部会委員/Sakana AI共同創業者)、Dato’ Seri Wong Siew Hai(MSIA会長/元Intel副社長)

●    モデレーター:丸幸弘(株式会社リバネス創業者兼CEO)

●    登壇者:伊藤錬、土谷大(マッキンゼー・パートナー)、Mr. Goh Peng Ooi(AI Malaysia会長)、Dato’ Seri Wong Siew Hai

まとめ

クロージングでは四方大使が閉会挨拶を行い、セミナーで共有された知見が具体的な協力につながることへの期待を述べた。今回のセミナーを通じて、日本の技術力・投資力とマレーシアの地理的優位性・安定したビジネス環境という相互補完関係の重要性が再確認された。

2025年のマレーシア承認投資額は4,267億リンギットに上り、日本は76億リンギットで第4位の投資国となっている。
この実績を背景に、両国は経済安全保障、GX、AI・半導体といった成長分野での戦略的・実務的な連携をさらに進めることが期待される。

来年には日・マレーシア外交関係樹立70周年を迎える中、本セミナーは両国産業協力を次の段階へ導く重要な機会となった。

今後は、MADANIの掲げる包摂的・持続可能な成長と、日本の技術・産業戦略との接続を具体化していくことが、日・マレーシア関係の新たな焦点となりそうだ。
* Madani政策:マレーシア政府が掲げる「経済成長だけでなく、倫理・社会調和・持続可能性を重視した包括的開発政策」。

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