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1MDB報道で有罪の英国ジャーナリスト、マレーシアの判決を「政治的報復」と批判

1MDB報道で有罪の英国ジャーナリスト、マレーシアの判決を「政治的報復」と批判

2024.02.14 政治・社会

政府系ファンド「1MDB」をめぐる巨額の資金流用事件に関する報道において、マレーシア王室の名誉棄損で有罪判決を受けた英国のジャーナリスト、クレア・リューキャッスル・ブラウン氏(64)が、マレーシアの判決を「政治的報復」と批判した。2月12日付の英公共放送BBCが伝えた。

トレンガヌ州のクアラ・トレンガヌ治安判事裁判所は7日、同氏の著書『サラワク・レポート-1MDB摘発の内幕』でマレーシアのヌル・ザヒーラ元王妃の名誉を傷つけたとして懲役2年の判決を下した。これに対して同氏は「事前に通知もされず、法廷で弁明する機会も与えられなかった」と主張し、彼女の弁護団はすでに刑事訴訟法違反を理由に上級裁判所に判決の破棄を請求している。

1MDBの汚職事件では総額45億ドル超の資産が不正に流出したとされている。ナジブ・ラザク元首相は2022年から服役中で、現在も多くの罪に問われているが、先に恩赦委員会によって一部の刑が半減された。

同氏は「1MDBスキャンダルに関与した後、標的にされている。ここには悪意があり、政治的な動機によるものだ」と批判。さらに「 マレーシアには私がナジブ元首相の汚職を暴いたことに復讐心を抱いている権力者や富裕層がたくさんいるだろう。ナジブ元首相がマレーシア国王から完全な恩赦を得られなかったわずか数日後に、私に対してこのような判決が下されたのは偶然ではないと思う」と語った。

ジャーナリスト保護委員会は同氏を投獄する決定を「言語道断」と評し、マレーシア政府に対して判決を破棄し、1MDBの汚職事件に関する重要な報道をめぐって同氏への嫌がらせをやめるよう求めた。また、同氏自身も英国政府をはじめさまざまな非政府組織(NGO)に支援を要請している。

同氏はサラワク州生まれで、英国のゴードン・ブラウン元首相の義妹。2010年に調査ウェブサイト「サラワク・レポート」を立ち上げ、パーム油取り引きの汚職に焦点を当てたジャーナリスト、環境保護運動家として名をはせた。

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