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マレーシアで深刻化する詐欺対策として、専門家らが政府に刑罰の強化を要請している。中でも、シンガポールの詐欺犯への鞭刑(むち打ち刑)導入を参考にすべきだとの声が上がっている。
ペナン消費者協会のモヒディーン・アブドゥル会長は、詐欺の受け子への厳罰化が口座の不正利用を防ぎ、海外詐欺組織の活動抑制につながると述べた。「銀行口座は個人利用に限定されるべきだ」と強調した。
シンガポールでは、詐欺犯に対する鞭刑の義務化や、受け子への裁量的鞭刑を盛り込んだ刑法改正がすでに成立している。これに対し、処罰が過度になるとの懸念もあるが、モヒディーン氏は「目的は海外の黒幕を直接処罰することではなく、詐欺を支える国内の土壌を弱体化させることだ」と強調した。
警察庁商業犯罪捜査局のルスディ・モハマド局長も、厳罰化に賛同を表明。今年中に導入予定のサイバー犯罪法案(Cybercrime Bill)について「1997年制定のコンピューター犯罪法は時代遅れで、口座悪用や詐欺組織を断つため、より強力な罰則が必要だ」と述べた。
一方、金融フォレンジックの専門家レイモン・ラム氏は、鞭刑は強い抑止メッセージになると評価しつつも、「厳罰だけでは詐欺組織のビジネスモデルは崩れない」と指摘。犯罪組織は末端の受け子が摘発されても容易に代替でき、海外にいる指導部や資金管理者には影響が及びにくいと分析した。
このため、迅速な資金凍結権限の強化、銀行や通信事業者の責任明確化、国境を越えた捜査協力など、包括的な金融遮断策が最も効果的だとする意見も多い。
また、犯罪分析官のカマル・アファンディ氏は、詐欺罪を規定する刑法420条にすでに鞭刑の規定がある点に触れつつ、「処罰と同時に被害者支援が重要だ」と強調。教育・予防、迅速な介入(口座凍結やホットライン対応)、被害回復を支援する法整備という三本柱の対策を進める必要性を指摘している。