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マレーシア教育省は、2027年に導入予定の新しい学校カリキュラム(KP2027)で、児童・生徒の人格育成(Character Development)を教育の中心的要素として組み込む方針を明らかにした。教育省カリキュラム開発部門の責任者によれば、人格育成は単なる教科書上の理論ではなく、日常生活の中で尊重・思いやり・寛容性がどのように示されるかを児童が実感できる教育として展開されるという。
教育当局は、授業時間帯や学校のあらゆる活動において、他者に対する敬意・共感・責任感などの価値観を育むことを強調している。例えば、給食後の片付けや友達を助ける行動、列に並ぶなどのシンプルな日常の行動も「生きた価値教育」と位置付けられ、学習の一部として取り入れられる。人格育成プログラムは幼稚園から高校まで段階的に導入され、教科横断的に実施される予定だ。
この取り組みは、2027年カリキュラムで予定されている他の教育改革とも併せて実施され、基礎的な読み書き計算能力の強化やICT(情報通信技術)教育、複数教科を統合した学習(統合学習)と並ぶ重要な柱とされている。人格育成は別立ての教科としてではなく、すべての教科・学校活動に統合される形で進められ、児童・生徒が日常的に価値観を実践し、社会性を育むことを目指す。
教育省はこの新方針について、単なる学力向上にとどまらない「全人教育(holistic education)」として歓迎される一方で、教育界や保護者からは教員の負担や具体的な評価方法についての議論も起きている。いずれにせよ、この人格育成中心の教育改革は、マレーシア教育の方向性に大きな変化をもたらすものとして注目されている。