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マレーシア保健省は、慢性疾患患者や高齢者などがより容易に医薬品を受け取れるよう、全国で医薬品配送サービスの拡充を進めている。病院や保健クリニックへ頻繁に通院する負担を軽減し、医療サービスへのアクセス向上を図ることが目的だ。
保健省が推進する「Value Added Services(VAS:付加価値サービス)」では、患者が処方薬を病院やクリニックで直接受け取る以外にも、自宅配送や指定場所での受け取りなど複数の選択肢を利用できる。これにより、長時間の待ち時間や移動負担の軽減が期待されている。
特に高齢化の進展や慢性疾患患者の増加を背景に、利便性の高い医薬品供給体制の整備が重要課題となっている。保健当局は、デジタル技術の活用や物流ネットワークの強化を通じて、より効率的な配送システムの構築を進めている。
マレーシアでは近年、医薬品の安定供給確保にも注力しており、医薬品不足の早期報告制度の導入やサプライチェーン管理の強化を進めている。政府は2026年7月から、製薬企業に対して医薬品不足の可能性を少なくとも6カ月前に報告することを義務付ける方針を示している。
また、業界団体によると、国内の医薬品在庫は概ね2~3カ月分を確保しており、現時点で大きな供給不足は発生していないものの、世界的な物流コスト上昇や原材料価格の高騰への対応が引き続き課題となっている。
今回の取り組みは、患者中心の医療サービス実現に向けた施策の一環であり、地方在住者や移動が困難な患者にとっても医薬品へのアクセス改善につながるものとして期待されている。