ホームマレーシアニュース日本大使、マレーシアとのLNGパートナーシップを評価
日本大使、マレーシアとのLNGパートナーシップを評価

日本大使、マレーシアとのLNGパートナーシップを評価

2025.12.24 政治・社会

日本大使は、マレーシアが今後も液化天然ガス(LNG)の信頼できる供給国であり続けるとの認識を改めて示した。駐マレーシア日本大使の四方敬之氏は、現地メディアFMTのインタビューで、連邦政府とサバ州・サラワク州の間で資源管理を巡る意見の相違が続く中でも、日本は長期的なLNG供給の安定性に信頼を置いていると述べた。

日本は、マレーシア国営石油会社ペトロナス(PETRONAS)の最大級のLNG購入国の一つで、輸入されるLNGの多くはサラワク州から供給されている。四方大使は、サラワク州にあるビントゥルLNG基地を例に挙げ、「世界的な不確実性が高まる中でも、同施設からの安定供給は日本のエネルギー需要を支えている」と強調した。

日本とマレーシアのLNG取引は1980年代初頭から続く長年の関係であり、日本のエネルギー安全保障の重要な柱と位置づけられている。大使は、サラワク州を中心とするガス資源を巡る連邦・州間協議について「短期的な不透明感を生む可能性はある」としつつも、「日本とマレーシアの長期LNG契約はこれまで供給の安定を確保してきた」と述べ、現時点で供給への大きな影響は出ていないとの見方を示した。

こうした協議は、1963年マレーシア協定(MA63)に基づく州の権利や、ペトロナスの役割を巡る長年の議論に起因している。アンワル・イブラヒム首相も先に、国内での意見対立があっても、国際的なLNG輸出契約は引き続き履行されると表明している。

四方大使は今後について、連邦政府と州政府の協力強化や法的整理が進めば、LNG生産の持続性が確保され、さらなる投資を呼び込むことにつながるとの見通しを示した。また、日本はLNGにとどまらず、脱炭素やグリーン変革分野での協力拡大にも関心を持っており、「技術協力や対話を通じて、両国の共通の繁栄を支えていきたい」と述べた。

Tweet Share
ナジブ元首相の「自宅拘禁」申請が却下された理由 ― 高等裁判所の判断を解説
ナジブ元首相の「自宅拘禁」申請が却下された理由 ― 高等裁判所の判断を解説

Mtown公式SNSをフォロー

関連メディア