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「善きサマリア人の法(Good Samaritan Law)」は、事故や急病などの緊急時に、善意で救助に当たった市民が、結果的に生じた損害について法的責任を問われにくくすることを目的とした法律だ。
マレーシアで検討中のこの制度について、緊急時に周囲の人々が救助をためらう心理を緩和する可能性があるとして、専門家や市民団体が期待を示している。一方で、法的保護だけでなく、救命技術の普及や公衆の意識向上が併せて不可欠だとの声も上がっている。
「多くのマレーシア人は助けたい気持ちはあっても、何をすべきかわからず、かえって状況を悪化させてしまうのではないかという不安から、行動をためらっている」。一般市民の行動の背景について、こうした分析も出ている。
民間安全社会連盟のチャン・スリ・リー委員長は、善きサマリア人の法が法的保護を与えることは重要だが、それだけでは不十分だと強調する。「法律は人に心臓マッサージ(CPR)やAED(自動体外式除細動器)の使い方を教えるものではない。まずは、人々が基本的な救命手順を理解し、実践できることが必要だ」と述べた。
公共衛生医療の専門家も、心臓発作や重度の出血、窒息などの緊急事態では、即座の救助が生死を分けると指摘する。特に心停止時には、CPRやAEDによる対応が重要で、救命率を大きく高める可能性があるという。
一方、民間の弁護士は、現行法でも善意で救助行為を行った場合の訴訟リスクは低いと説明する。ただし、新法案では、無謀な行為や重大な過失を保護の対象外とする明確な線引きが必要だとの意見も出ている。
法整備が進むことで、緊急時に助けをためらう人々の不安が軽減され、より多くの命が救われることへの期待が高まっている。