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10年以上にわたり行方不明となっている MH370 の機体捜索について、国際航空運送協会(IATA)が今月末から始まる再捜索を歓迎する声明を発表した。IATA のディレクター総長ウィリー・ウォルシュ氏は、世界の航空業界として「機体消失の真相を明らかにすることは安全性の確保という観点から極めて重要だ」と述べた。
MH370 は2014年3月8日、クアラルンプール国際空港(KLIA)発~北京行きの定期便として飛び立った後、レーダーから忽然と姿を消し、乗客・乗員239名の行方が今なお分かっていない。大規模な海域捜索や複数国による捜査が行われても、有力な手がかりは得られていない。
今回の再捜索は、英国系海洋探査会社 Ocean Infinity が請け負い、2025年12月30日から約55日間、南インド洋の「最も発見可能性が高い」と見なされた海域を対象に海底調査を行う予定である。IATA はこの動きについて、「業界全体が引き続き注目しており、もし信頼に足る新たなデータや技術があれば最大限活用すべきだ」との立場を示している。
また、ウォルシュ氏は「MH370の失踪は、航空史上最大級の未解決事件のひとつ。関係者だけでなく一般の人々も真相を知る権利がある。機体が見つかり、何が起きたか解明されることを、航空界全体が望んでいる」と語った。
政府と Ocean Infinity の合意に基づく今回の捜索は、「発見なければ費用は発生しない(no-find, no-fee)」契約とされており、過去の大規模な捜索にも参加した同社は、当時得られた知見や最新の海洋探査技術、ロボット船などを駆使して再挑戦するという。
MH370 を巡る多くの謎――消灯直後の飛行経路の逸脱、突然の通信喪失、海上での消失――。
関係者や遺族のみならず、世界の航空業界と公共も注目する今回の再捜索。IATA は、「たとえ時間が経っても、真実を解明する努力をあきらめてはならない」と強調しており、成功の成否に関わらず、その姿勢は航空界の安全性に対する責任の表れとも言えるだろう。