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RTS整備でジョホールの不動産が熱狂 — 地価が倍増するエリアも

RTS整備でジョホールの不動産が熱狂 — 地価が倍増するエリアも

2025.12.10 経済・現地企業

マレーシア南部ジョホール州の不動産市場が、ジョホール・シンガポール高速鉄道(Johor–Singapore Rapid Transit System=RTS)の整備に伴い、一部地域で地価や土地価格が急騰している。特に駅近くの「プライム」エリアでは、ここ数年で価格が実質2倍になる物件も見られるという。

報道によれば、RTS駅周辺の土地・不動産の単価は、3年前には1平方フィート(約 0.093㎡)あたり約 RM700(約26,600円)=約RM7,535/㎡(約286,330円/㎡) だったものが、現在では RM1,000~RM1,500(約38,000~57,000円)=約RM10,764~RM16,146/㎡(約409,032~613,548円/㎡) にまで上昇している。

この価格上昇について、不動産コンサルタント会社 Olive Tree Property Consultants のCEO、サミュエル・タン氏は、単なる需要増だけでなく「容積率などの規制緩和」も背景にあると説明。ただし、「その高い密度・多層開発を実際に活かすには、駐車場の確保や実需の裏付けが必要だ」と慎重な姿勢も示している。

市場関係者はこの動きを「ジョホール不動産サイクルの転換点」とみており、これまでは広く平均的に伸びていた市況から、今後は「交通アクセスを中心とした利便性」が価値を左右する“選別型市場”に移行していくと予測する。

一方で、不動産の急騰を“過熱気味”と懸念する声も少なくない。州内には依然として供給過剰の問題があり、完成済み・販売予定の住宅ユニットが多数残っているとの指摘もある。実需が伴わず“価格だけ”が上昇すれば、将来的に地価調整の圧力となる可能性もあるという。

RTSによる交通インフラ改善が不動産市場に即効性のある影響を与える一方、需給バランスや実需の裏付け、過熱リスクなどの課題も見えてきている。ジョホール不動産を検討する投資家や居住希望者にとって、今後の動向は要注目だ。

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