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【2025年9月28日】マレーシアは、サバ州のキナバタンガン渓谷一帯を新たに ユネスコ生物圏保護区(Biosphere Reserve) に登録したと発表した。自然保護と持続可能な開発を両立させる取り組みとして、地域住民や野生動植物に恩恵をもたらすモデル地区と位置づけられている。
キナバタンガンは、熱帯雨林、湿地帯、河川、マングローブ林など多様な生態系を抱えており、オラウータン、ゾウ、テングザル、熱帯魚など希少種の生息地としても知られる。今回の指定で、この地域は国際的保護ネットワークの一員となる。
マレーシア自然資源・環境省(MINES)によれば、登録にあたっては水質管理、侵略種対策、地元住民参加型開発、観光インフラ整備といった複数要素が評価された。州および連邦政府は、生態系保全計画と地域開発計画を緊密に連携させ、違法伐採や汚染、乱開発から保護する枠組みを強化する意向を示している。
キナバタンガン地域の村落では、観光ガイド事業、自然体験ツアー、伝統的農法の復興、小規模エコツーリズムといった活動を通じ、保護区経済圏の創出が進められる見込み。環境省は、自然観光による収入向上を地域の生活向上につなげたい考えだ。
国際的には、この登録によりマレーシアは保全と持続可能性においてさらなる評価を得る可能性があり、地球規模での生物多様性保護にも寄与する。キナバタンガンは、観光資源としての価値も高く、今後は国内外からの研究機関や環境保護団体の注目拠点になることが期待されている。