ホームマレーシアニュースマレーシア、検事総長と公訴局長の役割分離を盛り込んだ大規模法制改革案の要点
マレーシア、検事総長と公訴局長の役割分離を盛り込んだ大規模法制改革案の要点

マレーシア、検事総長と公訴局長の役割分離を盛り込んだ大規模法制改革案の要点

2026.03.03 政治・社会

マレーシア政府は、検察の中立性強化を柱とする歴史的な憲法改正案を国会に提出した。今回の改正案は、検事総長と、刑事訴追の最終決定権を担う独立した検察トップ(公訴局長)の役割を分離することが柱となっている。現在の制度では、検事総長が政府の法務顧問と起訴権を持つ公訴機能を兼務しており、この二重の役割が利益相反や政治的影響を招く可能性があると指摘されてきた。

政府が示した改正案の要点は、検事総長と公訴局長を別々の人物が担う仕組みにすることだ。これにより、犯罪の起訴や訴追の判断政治的圧力から独立して行われることを狙いとしている。具体的には、公訴局長が政府の刑事法に関する助言を行い、起訴の決定や有罪判決者の恩赦手続きに関する役割を担うことになる。また、裁判所に出廷する際の優先順位など、法廷での役割や権限の明確化も図られる。 

検事総長と公訴局長の人事については、両者とも最高君主の任命を受けるが、これまで首相の強い影響が指摘されてきた点が改革の中心となる。改正案では、公訴局長の候補者選定にあたって首相による政治的関与を排除し、司法・法務サービス委員会(JLSC)が推薦し、君主が任命する仕組みにすることが提案されている。候補者は少なくとも10年以上の裁判案件の経験を持つことが求められ、退任した裁判官や弁護士、公務員も対象となる可能性があるとしている。 

また、改正案は検事総長と公訴局長が公務員ではないことを明確にし、連邦裁判所や上訴裁判所の裁判官と同様に独立した立場で職務を遂行できるように規定する予定だ。給与や報酬についても、従来の王による決定から、議会が制定する連邦法に基づく支給に切り替える案が盛り込まれている。

 公訴局長の任期は7年とされ、再任や任期延長はJLSCでの評価を経なければならない。これにより、現職の政権が任期維持のために影響力を行使しにくくなると説明されている。公訴局長は任期中に解任される場合、3段階の手続きを踏んで君主が設置する審査委員会の推薦が必要とされる仕組みも提案されている。 

さらに、改革案ではJLSCの組織再編も規定し、公訴局長や上級裁判所の裁判官らを委員として加えることで、独立性とバランスを図る構成となる予定だ。これにより、公訴局長の任命や懲戒、解任に関する決定過程が透明性の高いものになることを目指している。 

政府はこの法制改革を「マレーシア史上最大級のもの」と位置付けており、刑事訴追制度の透明性や公正性を高めるとともに、司法制度全体への信頼向上につなげる狙いだとしている。議会での審議や最終決定の動きが注目される中、今回の改革案は国の法制度の在り方を大きく変える可能性を持つ。

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