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マレーシアの賃金上昇率、東南アジアで3番目の低水準に―2026年も停滞見通し

マレーシアの賃金上昇率、東南アジアで3番目の低水準に―2026年も停滞見通し

2025.11.14 経済・現地企業

マレーシアでは、2026年の賃金上昇率が予測で4.8%にとどまり、東南アジア域内で3番目に低い水準となる可能性が高い。人材サービス大手 Aon の「2025 給与増加・離職率調査」によると、2024年の実績4.9%からほぼ横ばいとなる見通しだ。

国別に見ると、2026年の見込みとして:

  • ベトナム:7.1%
  • インドネシア:5.9%
  • フィリピン:5.2%
  • マレーシア:4.8%
  • タイ:4.7%
  • シンガポール:4.3%
    という順序となっている。

マレーシアで賃金上昇が抑えられている主な背景には、①低コスト労働モデルの継続、②生産性と賃金のリンクの弱さ、③技能・教育とのミスマッチ、④生活費上昇に賃金が追いついていない状況、⑤産業間で賃金格差が大きい構造などが挙げられている。

例えば、2020~2025年の間に食品価格が17.5%上昇した一方、民間部門の賃金は同期間に7.9%の上昇にとどまり、実質賃金が低下しているという統計もある。

この賃金停滞は、国内消費の弱まり、中間所得国の罠への再突入、優秀人材の海外流出といった経済リスクを高めており、労働者の購買力低下が景気全体に波及する懸念も示されている。

労働分野の専門家らは、賃金上昇率を改善するためには、生産性に見合った賃金設計、技能教育への投資、産業の高付加価値化などが不可欠であると指摘しており、マレーシアが「質の高い成長」へ移行するための鍵と位置付けられている。

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