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マレーシア、公共部門の透明性向上へ「オンブズマン機関」設立を決定

マレーシア、公共部門の透明性向上へ「オンブズマン機関」設立を決定

2025.12.09 政治・社会

マレーシア政府は、公共サービスの透明性と説明責任を強化するため、新たに「Ombudsman Malaysia(オンブズマン機関)」を設立する方針を発表した。これは8日、国家統治特別閣僚委員会(JKKTN)が採択したもので、アンワル・イブラヒム 首相が議長を務めた。

新設されるオンブズマン機関は、公務の不適切な運営や不正行為、内部告発者の保護、情報公開などに幅広く対応する権限を持つ予定で、国民が行政サービスに関する苦情を申し立てやすくすることを目的としている。政府は関連法案である「Ombudsman Bill(オンブズマン法案)」を来年初頭に議会に提出する計画だ。

今回の閣僚委員会では、オンブズマン設立に加え、公共部門の統治改革を進めるための具体的な方策も議論された。財務省による統合調達システム「Digital Procurement System(d.Pro)」の導入や、情報公開法案の起草、国営企業や政府関連団体のガバナンス強化などが盛り込まれた。また、公共機関の統治や誠実性を評価する新制度「SPINE」も導入され、全連邦および州の公共機関で来月から運用が始まる予定だ。政府はこれらの改革により、行政の効率と透明性を高め、国民や企業、投資家の信頼を向上させることを目指している。

一方、非政府組織(NGO)や市民団体からは、オンブズマン制度に期待する声がある一方で、その効果は制度の独立性と実効性にかかっているとして慎重な見方も示されている。専門家の間では、政治からの独立性や捜査権限、証人召喚や文書提出要求権の確保が不可欠との指摘もある。

政府が今回の制度改革をどこまで実現できるか、またオンブズマンが国民の不満や不正を実際に是正できる実効ある仕組みとなるかが、今後の注目点となるだろう。

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