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マレーシアのパーム油産業が、2025年に初めて年間生産量2,000万トンを突破する見通しであることが、業界規制当局である マレーシア・パーム油委員会(Malaysian Palm Oil Board=MPOB) によって明らかにされた。生産効率の向上、労働力の安定確保、そして成熟したプランテーションの増加が追い風となっている。
MPOBの事務局長 アフマド・パルヴィーズ氏 によれば、天候と収穫効率が良好に推移した場合、今年の生産量は 2,000万~2,050万トン に達する可能性があるという。これは統計的な節目にとどまらず、プランテーションにおける生産性向上と収穫体制の構造的改善を示す「歴史的マイルストーン」と位置づけられている。
一方で、生産量の増加に伴い在庫も急増している。11月時点のパーム油在庫は過去6年半で最も高い水準に達し、輸出停滞と同月の高い生産量が重なったことが要因とされる。
背景には、隣国 インドネシアが12月にパーム油の輸出税を引き下げ、価格競争力を高めたことがある。この影響でマレーシア産パーム油の輸出が鈍化し、国内在庫が膨らむ結果となっている。
MPOBは、年末に向けた再評価の中で、中国旧正月前の需要回復や再備蓄に一定の期待を寄せる一方、輸出が持ち直さない場合、在庫が 300万トン を超える可能性があるとして警戒を示している。
世界第2位のパーム油輸出国であるマレーシアにおいて、在庫の増加と国際価格競争の動向は、国内産業だけでなく、国際市場や食用油価格にも影響を与える可能性がある。今後の需給バランスと市場動向が注視されている。