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2025年5月6日、マレーシア政府は都市再生法案(Urban Renewal Act, URA)の導入を進めており、都市部の老朽化した住宅地の再開発を目指している。
この法案は、所有者の同意割合を現在の100%から75%に引き下げることを提案しており、これにより再開発の実現が容易になると期待されている。
しかし、この法案には多くの懸念も存在する。
特に、所有者の同意割合の引き下げが憲法第13条に保障された財産権を侵害する可能性があるとの指摘がある。
ナショナル・ハウス・バイヤーズ・アソシエーション(NHBA)は、所有者全員の同意なしに再開発を進めることは不適切であると主張しており、少数派の所有者が強制的に土地を手放させられる懸念がある。
また、再開発が進むことで、低所得者層の住民が立ち退きを余儀なくされる「ジェントリフィケーション*」の問題も懸念されている。
特に、都市部に住むマレー人やブミプトラ(先住民)コミュニティが、再開発により生活基盤を失う可能性があるとの指摘がある。
これに対し、アンワール首相は、再開発が進んでもマレー人やブミプトラの土地権は守られると強調しており、再開発は所有者との協議の上で進められるべきだと述べている。
都市再生法案は、都市部の生活環境の改善を目指すものであるが、その実施にあたっては、住民の権利を尊重し、十分な説明と合意形成が必要である。
再開発が進む中で、既存のコミュニティが置き去りにされることのないよう、慎重な対応が求められる。
*ジェントリフィケーション: もともと所得の低い住民が住む地域に、再開発や富裕層の流入により地価や家賃が上がり、元々の住民が生活できなくなって追い出される現象。