関連メディア
グルメシアン[外食・グルメ情報はこちら]
生活情報サイト[生活お役立ち情報はこちら]

最近インド・西ベンガル州で報告されたニパウイルス感染例を受け、アジア各国で関心が高まっている。マレーシア国内ではまだ感染例は確認されていないものの、保健当局は国境での監視や空港での健康チェックを強化するなど警戒を続けている。
ニパウイルスは、致死性の高い人獣共通感染症ウイルスで、発熱から呼吸器症状や意識障害、重篤な場合は脳炎に至ることがある。自然宿主はコウモリ(特にオオコウモリ)で、感染は動物やその分泌物、汚染された食品、人から人への密接接触を通じても起こるとされる。
感染の潜伏期間は4~21日程度で、初期症状は風邪やインフルエンザと似ているものの、進行すると重篤な肺炎や脳の炎症につながる可能性がある。致死率は40~70%と高く、現在のところ特効薬やワクチンは存在しないため、感染が確認された場合は集中治療を含む支援的治療が行われる。
ニパウイルスが初めて注目されたのは1998~1999年のマレーシア・シンガポールの大規模流行で、このときは豚を介した感染が主要因とされ、全国で265件の重い脳炎患者と105人の死者が報告された。結果として豚の大量処分が行われ、マレーシアの豚肉産業に大きな影響を与えた。
その後、ニパウイルスは定期的にアジアで散発的な発生が確認されており、バングラデシュやインドでは毎年のように患者が報告されている。マレーシアでは2001年以降確認例がなく、世界動物保健機関により同国はニパウイルスのない国として認定されているが、近隣での感染報告を受けて保健当局は国際的な監視体制を強化している。
政府は、リスクを抑えるために個人の衛生管理や動物との不要な接触を避けること、発熱や呼吸器症状がある場合の医療機関受診を呼びかけている。また、感染が疑われる場合に備えた医療体制の準備も進められている。