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ラニーニャ接近、マレーシアで洪水リスク警戒

ラニーニャ接近、マレーシアで洪水リスク警戒

2025.10.14 マレーシアニュース

11月から始まる北東モンスーン期を前に、マレーシア政府は全国各地での洪水や土砂崩れなどのリスクに対する警戒を強めている。副首相であり地方開発相でもあるアフマド・ザヒド氏は、非常態勢を整えるよう、非常災害対策センター(PKOB)の前倒し稼働を命じたと発表した。 

気象局(MetMalaysia)は、気象現象「ラニーニャ」がこのモンスーン期に影響を及ぼす可能性が高いと予測。通常よりも雨量が増え、5~7回の持続的な豪雨エピソードが発生する恐れがあるとし、異常降雨の頻度は従来の平均(シーズンあたり5回)を上回るとの見通しを示した。 

特にサバ州では、11月から2月にかけて降水量が平均を上回ると予測され、ケランタン州、トレンガヌ州、パハン州、ジョホール州、サラワク州でも、12月をピークに激しい雨が予想されている。海水の干潮・満潮との重なりが起きれば、大規模な洪水が発生するリスクが高まるという。 

洪水対策においては、灌漑・排水局(DID)によれば、昨年の洪水多発地点は4,619か所とされていたが、今年は3,683か所にまで減少したという。これは政府が推し進めてきた治水・洪水緩和プロジェクトの成果として挙げられる。とはいえ、各州政府が地域での実施を着実に進めることが不可欠だと副首相は強調する。 

気象庁は、各種警戒レベル(注意、警告、危険)を少なくとも3日前には発表することを声明。住民には早期避難や備えを呼びかけ、自治体・関係機関との連携を強化するよう促している。 

マレーシアは、ラニーニャによる異常気象の影響下で、モンスーン期の降雨や洪水、斜面崩壊などの災害リスクへ備えるべく、中央から地域まで体制を整えつつある。気候変動が激化する中、早期警戒と地域の防災力強化がますます求められている。

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