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2025年現在、新型コロナウイルス(Covid-19)はマレーシア国内でエンデミック(風土病)として扱われており、かつてのような厳格な隔離措置は不要となっている。
政府は5月1日付で、すべての州および連邦直轄地を「感染地域」と定めていた宣言を正式に撤回。これは、5年以上続いたパンデミック対応からの大きな転換点となる措置である。
とはいえ、感染が完全に終息したわけではない。保健省のデータによれば、4月30日時点の国内のアクティブ感染者数は8,488人だったが、5月3日には8,609人に微増。
2024年同時期(5月12日~18日)にはわずか1,230人の感染だったことを考えると、今年は増加傾向にある。
専門家は、免疫の低下、旅行の増加、検査頻度の減少が要因としつつも、現時点では国内の感染状況は「懸念するほどではない」としている。
一方、タイ、シンガポール、台湾など近隣諸国では、数万件規模の感染報告や死者も出ており、引き続き警戒は必要とされる。
陽性になったらどうする?
2024年7月15日以降、Covid-19陽性者に対するホームサーベイランス命令(HSO)は廃止されており、MySejahteraアプリへの報告も不要となっている。
マレーシア国民大学(UKM)の公衆衛生専門家シャリファ教授によれば、現在の感染例の多くは軽症で、上気道感染(URTI)として症状が出る程度にとどまっている。
これはワクチン接種や過去の感染による免疫の蓄積が影響しているとみられる。
ただし、高齢者など免疫力が低い人は、抗ウイルス薬の投与や医師によるサポートが必要になる場合もある。
また、症状が似ているインフルエンザとの鑑別のためにも検査は重要とされる。
現在の治療法は?
保健省の臨床ガイドラインによれば、症状のある患者(カテゴリー2および3)には抗ウイルス薬「パキロビッド(Paxlovid)」が使用される。
自宅での自己検査やクリニックでの検査も可能で、市販の抗原検査キットも引き続き薬局などで入手できる。
マスク着用は義務ではないが、せきや鼻水などの症状がある場合や、医療機関・混雑した場所を訪れる際には、着用が推奨されている。
周辺国の状況は?
タイでは2025年1月~5月10日の間に53,676件の感染と16件の死亡が報告され、バンコクでは1週間で1万件以上の陽性者が出る週もあった。
シンガポールでも、4月下旬から5月初旬にかけて感染者数が11,100人から14,200人に増加。
台湾では5月初旬の1週間で1万件の感染が確認され、6人の死亡、34件の重症例が報告されている。
今後の見通し
現在のところ、新たな強毒性・高病原性の変異株が出現しない限り、マレーシア国内では過度な懸念は不要とされる。
大多数の国民がワクチン接種やブースター接種を完了しており、基本的な感染対策と体調管理が引き続き重要であるとされている。