今年のGDP4.0%と予測=経済研究所-2021/10/25
2021.10.25 経済・現地企業マレーシア経済研究所(MIER)はこのほど、マレーシアの今年の実質国内総生産(GDP)が4.0%にとどまるとの見通しを示した。パンデミック以前の成長率は平均年4.9%だったが、これを下回る。
MIERの「マレーシア経済見通し、2021年第3四半期報告書」で明らかにした。
報告書では「経済は明らかにV字回復をしている」と指摘。民間消費と投資による内需拡大や商品・サービスの輸出が拡大していること、外国人投資家による直接投資の増加などで回復の明確な兆候が見られると説明した。2021年第4四半期には多くの経済セクターが再開し始めたことから、今後、勢いよく成長していくとも述べた。
また、2022年のGDPは5.5~6.5%にまで強力に回復するとも予測した。
ただ、不良債権の増加、テナントの占有率や就職率の鈍化などがみられるため注意する必要があるとも指摘した。
さらに、今年の経済全体は改善が見込まれるものの、政府の今年の財政赤字はさらに拡大し、名目GDPの6.0%に近づくと予測。2021年6月末時点で、政府の債務残高は9584億リンギで、GDPの61.1%に相当している。現行の法定政府債務残高の対GDP比は60%を上回っている。このため、今後は物品サービス税(GST)を再導入していく可能性があるとも指摘した。