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中国ブランド、マレーシア市場で急拡大 地元中小企業に試練

中国ブランド、マレーシア市場で急拡大 地元中小企業に試練

2026.01.29 経済・現地企業

マレーシアの小売市場で、中国本土発のブランドが急速に存在感を高めている。かつては越境ECを中心に展開していた中国企業だが、現在ではショッピングモールや路面店にも進出し、消費者の購買行動に大きな変化をもたらしている。

首都圏クランバレーのショッピングモールでは、1個RM2のアイスクリームを販売する中国発デザートチェーン「Mixue」の雪だるまマスコットが目を引き、同じく中国系のティーチェーン「Chagee」には長蛇の列ができる光景が日常化している。モール外でも、重慶式の麻辣火鍋店や新疆料理店が軒を連ね、道路にはBYDやCHERYといった中国製電気自動車が走る。

食品・飲料から電子機器、EVに至るまで、中国ブランドが短期間で市場に浸透した背景について、マラヤ大学のゴー・リムタイ経済学者は「マレーシアは市場が開放的で、中国との貿易関係が深く、デジタル商取引が急成長している点が魅力だ」と指摘する。中国国内で需要の伸びが鈍化する中、企業が海外市場に活路を求めていることも進出を後押ししている。

消費者意識の変化も大きい。テイラーズ大学のアキラ・ヤーコブ上級講師は、中国製品に対する「安かろう悪かろう」という従来のイメージは依然残るものの、若年層を中心に「安くて早い」「話題性がある」ことが重視される傾向が強まっていると分析する。特にミレニアル世代やZ世代の間では、西洋ブランド=高品質という価値観が薄れ、中国ブランドは「試す価値のある賢い選択」と受け止められているという。

一方で、こうした動きは地元の中小企業(SME)にとって逆風となっている。中小企業協会のウィリアム・ン会長は、一部業種で売上が最大30%減少したとの報告があると明らかにし、「中国企業は規模の経済や本国での支援を背景に、極めて攻撃的な価格設定が可能だ」と懸念を示す。

ただし、専門家は排除ではなく共存を模索すべきだと口をそろえる。ン氏は、地元企業が物流やアフターサービスで中国企業のサプライチェーンに組み込まれる可能性を指摘。アキラ氏も「価格競争ではなく、地域性や文化的なアイデンティティを前面に出した差別化が重要だ」として、地元色を生かした戦略の必要性を強調している。

中国ブランドの急進出は、マレーシアの小売市場に新たな活気をもたらす一方、地元企業の競争力が問われる転換点となりつつある。

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