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マレーシア政府が、完成車輸入(CBU)の電気自動車(EV)に対する規制強化を打ち出したことで、国内のEV普及に影響が及ぶ可能性があるとの懸念が広がっている。業界関係者からは、消費者が購入しやすい価格帯のEVが市場から減少するとの指摘が出ている。
政府は2026年7月1日から、輸入EVについて「運賃・保険料込み価格(CIF)」が20万リンギ以上であること、さらにモーター出力が180キロワット以上であることを新たな条件として導入する方針を発表した。
これに対し、マレーシアEVオーナーズクラブ(MyEVOC)のシャーロル・ハルミ会長は、「手頃な価格の輸入EVが市場から姿を消す可能性があり、EVへの乗り換えを検討している消費者へのアクセス性が低下する」と懸念を示した。世界的なエネルギー価格の不安定化が続く中、政府に対して規制導入の延期を求めている。
一方、マレーシア電気自動車協会(EVAM)のデニス・チュア会長は、政府方針について「長期的には合理性がある」としつつも、「導入時期や市場への影響を慎重に見極める必要がある」と述べ、段階的な実施の重要性を強調した。
業界では、今回の規制により市場が「高級輸入EV」と「現地組立型(CKD)の普及モデル」に二極化するとの見方も出ている。特に10万~30万リンギ帯の輸入EVが影響を受けやすく、消費者の選択肢が短期的に縮小する可能性があるという。
その一方で、政府は国内EV産業の育成を進めており、現地組立EVへの優遇措置は2027年末まで継続される予定だ。これを受け、自動車メーカー各社はマレーシア国内での生産体制強化を迫られる可能性がある。
マレーシアではEV市場自体は拡大基調にある。2026年3月のEV登録台数は4,717台と前月比約30%増加し、EV比率も依然として歴史的高水準を維持している。ただし、専門家は「価格」「充電インフラ」「使い勝手への安心感」が今後の普及拡大の鍵になると指摘している。