ホームマレーシアニュースインフレ鈍化でも食費は高止まり マレーシアで家計の負担感続く
インフレ鈍化でも食費は高止まり マレーシアで家計の負担感続く

インフレ鈍化でも食費は高止まり マレーシアで家計の負担感続く

2026.09.22 経済・現地企業

マレーシアではインフレ率が比較的低い水準で推移している一方、食料品や外食の価格は高止まりしており、家計では物価上昇への負担感が続いている。

マレーシア統計局(DOSM)によると、2026年7月の消費者物価上昇率は前年同月比1.8%で、6月の1.9%から鈍化した。しかし、インフレ率の低下は「物価が下がった」ことを意味するわけではない。物価が上昇するペースが以前より緩やかになったことを示しており、過去に値上がりした商品の価格はそのまま高い水準にとどまることがある。

例えば、5リンギだったナシレマが翌年に5.50リンギへ10%値上がりし、その翌年の上昇率が2%に鈍化しても、価格は約5.61リンギとなる。インフレ率が10%から2%に下がっても、ナシレマの価格が5リンギに戻るわけではない。

実際、7月に消費者物価指数(CPI)の対象となった573品目のうち、374品目で価格が前年同月より上昇した。一方、157品目は値下がりし、42品目は変わらなかった。

特に家計への影響が大きいのが食品だ。7月の食品・飲料の物価上昇率は1.8%で、6月の1.4%から拡大した。肉類は3.2%上昇し、中でも鶏肉は1キロ当たり平均10.25リンギから10.88リンギに値上がりした。外食も2.5%上昇したのに対し、家庭で購入する食品は1.2%の上昇だった。

外食価格には食材だけでなく、人件費や家賃、光熱費、輸送費、包装費なども含まれる。このため、一部の食材価格が下がっても、レストランや屋台の販売価格がすぐに下がるとは限らない。

また、2019~2024年にマレーシアの消費者物価指数は9.3%上昇した一方、労働者1人当たりの名目賃金の伸びは7.2%だった。こうした物価と賃金の伸びの差も、消費者が「インフレ率は低いのに生活費は高い」と感じる一因となっている。

インフレ率の低下は物価そのものの下落ではなく、値上がりのスピードが緩やかになったことを意味する。食料品や外食費が過去の値上がり前の水準に戻ったわけではなく、所得の伸びが物価に追いつくかどうかが、今後の家計負担を左右することになる。

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