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2027年の運行開始を予定しているジョホール・シンガポール高速輸送システム(RTS)は、通勤の円滑化、国境を越えた連携の強化、そして経済の再活性化を促す「起爆剤」として大きな期待が寄せられている。
世界でも有数の混雑を誇るジョホール・コーズウェイの交通量を緩和することが見込まれるRTSは、ジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)構想において中核的な存在であり、迅速な出入国手続きの実現と人材の移動を促進する役割を果たす。
アクセス性の向上と両国のさらなる統合が期待される中、関係者の間では、RTSが新たな投資を呼び込み、観光を活性化させ、主要産業における成長機会を開くとの見方が広がっている。
一方で、労働市場の変化や人材獲得競争の激化に備え、業界側には事前の対応が求められている。
南ジョホール中小企業協会の顧問であるテ・キー・シン氏は、ジョホール州の企業が長年にわたり人手不足に直面してきたことを認めつつ、「RTSの推進には賛同する」との姿勢を示している。
「ジョホールバルとシンガポールの間にシームレスな接続を実現する政府のRTS構想を支持する。我々にとってシンガポールは最も近い隣国であり、最大の貿易相手国だからだ」と同氏は述べた。
しかし同時に、「新たな交通の利便性によって、地元産業で働く熟練労働者が不足する現実的な懸念がある。特に新型コロナウイルスのパンデミック以降、人材不足の問題は深刻さを増している」と強調した。
現在、ジョホール・コーズウェイは1日あたり43万~45万人の利用者を抱えており、多くは夜明け前から通勤を開始している。
RTSは、1時間あたり片道1万人の輸送能力を持つ計画で、特にピーク時の混雑緩和に大きく寄与する見込みである。