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私立病院で医薬品価格表示を義務化 5月1日から施行

私立病院で医薬品価格表示を義務化 5月1日から施行

2025.04.28 経済・現地企業

マレーシア保健省は、5月1日から私立病院やクリニックにおいて、すべての医薬品に対する価格表示を義務化する新制度を施行することを発表した。
この「医薬品価格透明性メカニズム」は、サプリメントや向精神薬、一般用医薬品(OTC薬)、伝統薬を含むすべての医薬品を対象としており、医療機関は価格リストを掲示し、消費者に対して透明性を提供することが求められる。


新制度では、価格リストに単位価格、パッケージ価格、または投与単位価格を明記することが義務づけられ、表示はマレー語または英語で行う必要がある。
ただし、医薬品の効能や用途を記載することは禁じられており、画像の表示は認められている。
この新たな規制は、私立病院をはじめ、ホスピスや精神科病院、歯科クリニック、透析センター、地域薬局など、幅広い医療施設に適用される。


一方、施行まで残りわずかとなった現在、多くの医療関係者からは制度に対する不安の声が上がっている。
マレーシア中国医学会の会長、ヘン・アイク・テン氏は、特に伝統薬に関する価格表示義務について「保健省からの明確な通知がない」とし、制度の複雑さに懸念を示した。
また、マレーシア私立開業医連盟の会長シャームガナタン・T・V・ガネソン医師は、開業医が「バンドル料金」での対応に困難を感じており、政府は新制度を強行する前に、医師の診察料金の見直しを進めるべきだと述べた。


さらに、マレーシア地域薬局ギルドの名誉書記ラチェル・ガン氏は、価格の変動に応じて毎日価格表を更新する必要があり、これが薬局の事務作業に大きな負担をかけることを懸念している。
特に、価格調整ごとにカタログを再印刷し直すコストがかさむことについて問題を指摘している。


新制度では、価格表はカタログや掲示板、ノートパソコン、デスクトップ、キオスク、電子スクリーンなどで物理的に表示することが求められ、患者が簡単にアクセスできる場所に掲示する必要がある。
QRコードやウェブサイトを通じた価格表の共有は許可されているものの、物理的な表示としては認められていない。

この新制度は、患者の信頼向上と医薬品価格の透明性を目指しているものの、現場ではその実施に向けて課題や懸念が多く、今後の進展に注目が集まっている。

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