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新たな食料廃棄防止法案、まずは教育・啓発から導入へ

新たな食料廃棄防止法案、まずは教育・啓発から導入へ

2025.10.16 マレーシアニュース

マレーシア政府は、家庭や商業施設での日常的な食品ロス(食べられるのに捨てられる食物)を抑えるための新しい法案(循環経済法案:Circular Economy Act)を準備中である。現段階では罰則導入よりも、教育・意識向上を重視したアプローチが中心とされている。 

住宅・地方自治体担当省は、食品廃棄物が全体の固形廃棄物のうち 44.5% を占めており、これを抑制することが環境政策上も喫緊の課題だと指摘。法律案ではまず、家庭や店舗、レストラン、スーパーマーケットなどに対し、食品廃棄を減らすための指導や意識醸成を促す枠組みが組み込まれる見通しだ。 

背景には、国連環境計画(UNEP)によると、マレーシア人一人あたりが年間に捨てる食品量が 2024 年時点で 81kg に達しているという統計がある。これは 2021 年の 91kg からやや改善したものの、依然として高水準と見なされている。 

現在、マレーシアでは家庭や商業施設を対象とした食品ロスに関する具体的な法令は存在していないが、ごみの分別制度や啓発キャンペーンなどの自主的な取り組みは進んでいるとのこと。政府は、将来的には罰則を含む制度化も視野に入れており、他国の「食品寄付義務化」「廃棄物分別制度」などを参考にする予定だと明かした。 

消費者団体や NGO は、政府の法案化の動きを歓迎しているが、同時に「罰則一辺倒ではなく、寄付や廃棄削減を促すインセンティブも重要だ」と訴えている。スーパーマーケットや食堂には、売れ残り食品の寄付や再配分を義務づける案が含まれるべきだという意見がある。 

現在はまだ法案段階であり、政策実施には時間を要する見込みだが、食品廃棄を「放置できない環境問題」として制度化への動きがようやく本格化し始めたといえるだろう。

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