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マレーシア国内で1月1日、低価格輸入品(LVG)への課税が始まった。製品にもよるが、価格は一般的に2リンギから20リンギ上昇。一部では急激な値上げもあり、国民から購入に戸惑う声が上がっている。3日付の英字新聞ザ・スターが伝えた。
今回導入の新税では、陸路、海路、空路でマレーシアに持ち込まれる500リンギ以下の商品について10%の消費税を適用。ただし、すでに輸入関税が課せられているタバコ、タバコ製品、酩酊酒、喫煙パイプは対象外となる。
オンラインショッピング利用者の反応として、あるパーソナルトレーナーは「19.94リンギで買った速乾性トップスが39.60リンギになった」とショックを受けて2枚目の購入をためらい、新車のフロントガラス用サンシェードを購入した男性は「以前は50リンギもしなかったが、今は72リンギ。地元では一般的な商品ではないので、とりあえず買った」と話す。
オンラインショッピングに毎月200~300リンギを費やしているというヨガインストラクターも「月50リンギほど余分に支払うことになる」と危機感を抱く。
ただ、戸惑いながらも「実店舗で買うより安ければ、まだ我慢できる」「オンラインは選択肢が多く、購入者が簡単に比較できる」などと前向きかつ冷静な声も。また、商品の品質が広告と一致しないオンラインショッピングのリスクを踏まえて「価格が同じならば商品に触れられる実店舗の方がいい」といった声もあった。
マレーシアでは小口貨物の通関を容易にするため、これまで500リンギ以下の輸入品は消費税が免除されていたが、オンラインショッピングの台頭で国内の小売事業者とオンライン事業者との間に税制上の格差が顕著になっていた。
LVGへの課税はそれに対処し、公平な競争環境を実現するのが狙い。消費税法の改正に伴って2022年8月に決定し、当初は2023年4月1日に施行予定だったが、アンワル・イブラヒム首相が掲げるマダニ政策を推進する上で業界関係者や主要な利害関係者と協議するために延期されていた。