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スールー国の「相続人」の訴え、裁判所が無効判断

スールー国の「相続人」の訴え、裁判所が無効判断

2023.01.27 政治・社会
ルクセンブルグ地方裁判所がこのほど、かつてボルネオ島に存在したスールー・スルタンの「相続人」と称する者が、フランスの仲裁裁判所がマレーシア政府に対して下した149億2000万米ドルの仲裁裁定執行を求めた「差押命令」は無効との判断を下した。
スールー王国は、かつてフィリピン諸島とボルネオ島の間に連なるスールー諸島に存在した国。スルタンを戴くイスラム教国で、1450年代に成立したとされる。現在のサバ州の一部だった同国の「領土」を取り巻く権利に関し、主権を付与する1878年に当時のスールー・スルタンが署名した協定をめぐり、150年近く経った今も係争が続いている。
差押命令は、2022年3月に出されたもので、「相続人」たちに有利な仲裁の結果が得られたことから、昨年7月に「相続人」がマレーシア政府に支払いを請求していた。ルクセンブルクの裁判所の決定は、マレーシア政府が暫定的な救済措置として差押の解除を求めたことを受けてのもの。
今回の判断についてオスマン・ザイード首相府相(法・制度改革)は「マレーシアの利益、主権免除、主権が常に保護・保全されるよう、あらゆる場でマレーシアを積極的に擁護するという政府の方針を裏付けるもの」と評価。「政府はこの目的のために努力を惜しまない」と述べた。
なおこの審理は、昨年12月5日に行われたという。
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