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6州の州議会選挙の投開票が8月12日に行われ、このうち3州で希望同盟(PH)と国民戦線(BN)の国政与党が過半数を獲得した。
アンワル政権が信任を得た形だが、与党は全州で解散前より議席を落とした。
選挙管理委員会によると、国政与党が勝利した州は、スランゴール州、ヌグリ・スンビラン州、ペナン州の3州。
解散前もこれら3州は国政与党が制していた。ただ、PHもBNもいずれも大きく議席を減らした。
特にPHは、牙城であるペナン州でも6議席を取りこぼし、スランゴール州でも6議席を落とした。
BNの勢力縮小は予想以上のもので、トレンガヌ州では解散前の10議席をすべて失い、クランタン州でも6議席を喪失。
BNを構成する統一マレー人国民組織(UMNO)アフマド・ザヒド総裁の主要メンバー追放などによる信頼失墜が、大きく響いた。
■国政野党は大躍進
一方、クダ州、トレンガヌ州、クランタン州の3州は、国民連盟(PN)が解散前と同じようにそれぞれ過半数を占め、このうちトレンガヌ州では定数32議席すべてを獲得した。
州政権を奪還できなかった3州でも、議席を大きく伸ばす格好となった。
中でもスランゴール州では17議席、ペナン州でも11議席と2桁に増やした。
ただ、PNも懸念材料がないわけではない。
PNは、全マレーシア・イスラム党(PAS)とブミプトラ統一党などで構成されている。
スランゴール州やヌグリ・スンビラン州など有権者に華人の多い選挙区では、華人候補を立てて勢力拡大を図ったものの、イスラム色のイメージが強く、華人有権者に浸透しなかった。
また、クランタン州では90年代からPASの牙城となっているが、今回の選挙では国政与党に2議席を取られた。
PASの強いイスラム色や経済運営に、一部有権者が離反したともみえる。
さらに、トレンガヌ州ではPNが全議席を獲得したが、野党勢力がいなくなったため、州議会でチェック機能が働かなくなる可能性がある。
■諸政党が全滅
これまで州議会には諸政党が議席を取っていたが、今回の選挙では全滅した。
マハティール元首相が創設した闘争党は、解散前にクダ州とスランゴール州でそれぞれ2議席をもっていたが、今回の選挙では全滅。
昨年の下院議会選挙でも同党は議席をなくしているため、議席のない政党になってしまった。
また、シェド・サッディク党首(元青年・スポーツ相)が創設したマレーシア民主連合戦線(MUDA)は、スランゴール州で14人の候補を立てたものの全滅した。
このほかにも複数の政党が候補を出したが、国政与党と野党にすべて議席を奪われた。
無所属の候補者も全員、票に結びつかなかった。
■トレンガヌ州の下院補選は野党が奪還
トレンガヌ州クアラ・トレンガヌ選挙区の下院議会補欠選挙も同日投開票が行われ、野党候補のアムザド・ハシム氏(PAS所属)が当選した。
この補選は、「金権政治が行われた」と選挙裁判所が認定し、同氏の当選が無効になったことに伴い実施。
同氏は、前回より2万票あまり多く票を獲得した。