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アンワル・イブラヒム首相は12月12日、内閣改造を断行した。交替した閣僚は7人で、新たに5ポストを新設した中規模の内閣改造となった。副大臣は5人が新たに任命され、10人が入れ替わった。
最も注目されたのは第2財務相の設置。こちらは従業員積立基金(EPF)のアミール・ハムザ氏が任命された。アンワル首相が財務相を就任時から兼任し、副大臣も置いているが、第2財務相を置いた理由について首相は「経済に集中してもらい政治的な圧力から振り回されないようにするため」と説明した。
第2財務相はナジブ政権時に5年ほど置かれたことがあり、設置されたのは10年ぶり。アミール・ハムザ氏は国会議員ではないため、12日に上院議員に任命されて閣僚となった。マレーシアでは民間人は大臣になれない慣習がある。
保健相にはズルキフリ・アフマド氏が復活。同氏は2018年から2年間にわたり保健相を務め、パンデミック時に強いリーダーシップを発揮した。退任後はスランゴール州の保健局の顧問を務めていた。
人的資源相には民主行動党(DAP)のスティーブン・シム氏が就任。人的資源相はインド人が長年就いていたが、5年ぶりに華人が担当することになった。DAPがこのポストを得たのは初めて。シバクマル前人的資源相は外国人労働者受け入れのスキャンダルで当局から汚職容疑で取り調べを受けているため、事実上の更迭となった。
国防相には統一マレー人国民組織(UMNO)のモハマド・ハッサン副総裁からカレド・ノルディン氏に交替した。高等教育相には外相だったザンブリ氏が横滑り。新設された首相府相(連邦直轄区担当)には保健相だったザリハ氏が任命された。
新ポストとしてはエネルギー移行・公益事業相も設けられ、ファディラ副首相が兼任。同副首相は新設されたサバ・サラワク担当相にも就任した。
通信・デジタル相は通信相とデジタル相に分けられ、通信相にはこれまでのファフミ・ファジル氏、デジタル相にはゴビンド・シン元通信デジタル相が就いた。
天然資源・環境・気候変動相は天然資源・環境サステイナビリティ相に名称が変更され、ナズミ・ニック氏が続ける。
アンワル首相は次期総選挙となる2027年までは改造した顔ぶれで続けたい方針を示した。
首相を除いた大臣数は30人。副大臣数は29人。政党別でみると、希望同盟(PH)が16人。中でもPHの主要政党の人民正義党(PKR)が8人と最多となった。国民戦線(BN)は7人。サラワク政党連盟(GPS)は5人、サバ州国民連盟(GRS)は1人。
(新任の閣僚)* カッコ内は所属政党
外相:モハマド・ハッサン(UMNO)
プランテーション・商品相:ジョハリ・アブドゥル・ガニ(UMNO)
保健相:ズルキフリ・アフマド(国民信託党)
人的資源相:スティーブン・シム・チーケオン(DAP)
国内取引・生活コスト相:アルミザン・アリ(GRS)
国防相:カレド・ノルディン(UMNO)
高等教育相:ザンブリ・アブドゥル・カディール(UMNO)
(新ポストの閣僚)
第2財務相:アミール・ハムザ(無所属)
デジタル相:ゴビンド・シン(DAP)
首相府相(連邦直轄区担当):ザリハ・ムスタファ(PKR)
エネルギー移行・公益事業相:ファディラ・ユソフ(GPS)*副首相と兼任
サバ・サラワク担当相:ファディラ・ユソフ(GPS)*副首相と兼任