トレンガヌ州のイスラム教徒男性　不倫で罰金5000リンギに

トレンガヌ州のシャリーア裁判所のワン・ザクリ長官は12月21日、同州内のイスラム教徒で不倫をした男性に対して罰金5000リンギまたは禁固3年の刑になるとの見方を示した。

連邦裁判所は12月15日、男性が既婚女性を誘惑することを犯罪とする刑法第498条を違憲とする判断を下していた。連邦裁判所長官を含む5人の裁判官は「性別を理由とする違法な差別であり、連邦憲法8条2項に違反する」と全会一致で判断していた。

しかし、同州のワン・ザクリ長官は「不倫は2001年トレンガヌ州シャリーア刑法第43条に該当する犯罪」と反論し、シャリーアでは妻は夫の所有物であり、夫はすべてに責任をもつと明言。不倫に関わった男女は罪人となるとの見解を示した。また、不倫は離婚の原因になっていると指摘した。

今年3月にはスランゴール州プタリン・ジャヤ郡下級裁判所は不倫をしたイスラム教徒の元兵士（48）に対して罰金6000リンギの判決を下している。元兵士は不倫後に逮捕され、除隊も命じられたという。