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紅海危機、遅延で海上輸送運賃が3倍になる見通し 製造業者は積極的な事業計画を

紅海危機、遅延で海上輸送運賃が3倍になる見通し 製造業者は積極的な事業計画を

2024.01.18 政治・社会

紅海でイエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船襲撃が相次ぎ、物流が混乱する中、マレーシア製造業者連盟(FMM)は、マレーシアを含むアジア諸国に戻る船舶の遅れにより海上輸送運賃は前年の3倍になる見通しを明らかにし、製造業者に治安情勢を踏まえた積極的な事業計画を立てるように促した。1月16日付英字新聞ニュー・ストレーツ・タイムズが伝えた。

紅海危機により、世界の海運・石油大手各社が紅海を経由する航路を回避。アフリカの南端を遠回りするルートに変更せざるを得なくなったことで航行期間は1~2週間延び、北アフリカ、中東、欧州への輸送コストが高騰している。12日には米英軍がフーシ派を標的にした攻撃を実施したことで原油価格が4.3%上昇し、1バレル当たり80ドルを突破。インフレ懸念が再燃し、地域紛争が拡大する恐れが高まっている。

FMMのソー・ティエンライ会長は紅海地域で悪化している治安状況を非常に懸念し、政府に対し、運賃の上昇やリードタイムの長期化、輸出入業者が利用できるコンテナの不足などによりビジネスへの影響が拡大し、企業や経済にさらなる負担がかからないよう、状況を注視するよう求めた。

さらに「紅海危機は異常気象や地政学的緊張の変化といった他の脅威によって深刻化する可能性がある。すでに苦境に陥っている世界のサプライチェーン(供給網)により大きなダメージを与えるだろう」と言及。今後も続くとみているサプライチェーンの混乱への対応として「マレーシアの製造業者は引き続き警戒し、さらなるショックに耐えられるよう積極的に事業計画を立てる必要がある」と述べた。

また、ソー会長は運賃の新たな値上げやサーチャージの導入に関しても「その発表は透明性をもって行われ、輸出業者が計画を立て、輸入業者と交渉できるようにすべき」と主張。マレーシアの輸出業者にコンテナ不足に備える必要も強調し、「できれば1カ月前にコンテナの予約と出荷スケジュールを準備する必要がある」と付け加えた。

FMMは国内の荷主の事業計画を支援するため、海運会社に対し、提供される事前予約運賃を変更することなく尊重するよう求めるという。

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