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クアラルンプール国際空港(KLIA)第2ターミナルの待合ラウンジで1月7日未明、陣痛を訴えるインドネシア人女性(29)の叫び声が響き渡り、居合わせた空港職員らが現場で出産をサポートした。迅速な行動とチームワークにより母子共に無事だった。2月19日付の英字新聞ザ・スターが伝えた。
女性はその日の午前6時55分のフライトに乗るため、早めに空港ラウンジに到着。空港の案内係Muaz Eirman Bambangさんは女性の異変に気づいてすぐに陣痛の有無を確認するとともに上司に報告し、近くにいた空港清掃員のSubashini Kurumamさんに声を掛けた。Subashiniさんが毛布を持って戻ってくると、赤ちゃんの頭が見えていたという。
ザ・スターの取材に応じたMuazさんは「まさに“心臓が止まるような”光景だった」と語り、4児の母であるSubashiniさんは「出産の過程を理解していたので私はパニックにならず、赤ちゃんをできるだけ早く取り出すことに集中した」と振り返った。
出産時には、航空保安を担当するチームもサポートに駆け付け全員の安全を確保したほか、女性を毛布で覆い手荷物にあった服で新生児を包んだ。
さらに空港運営管理センターは、監視カメラで状況を把握して救急隊に連絡。通報からわずか5分で医療スタッフがかけつけた。管理センターの当直スタッフは「私たちの役割は秩序を維持し、公共の場での写真撮影を防ぐことだった。皆さんが協力してくれたことに感謝している」と話した。
KLIA第2ターミナルサービス部門の管理アシスタントオペレーターによると「赤ちゃんは静かで母親は不安な様子だったが、一口水を飲み少しほっとしたように見えた」そうで、駆けつけた救急隊員チームリーダーが赤ちゃんの泣き声を促して適切な呼吸を確保し、到着した医師がへその緒を切ったという。
女性は初産だった。幸いにも大量出血やめまいもなく、赤ちゃんと共に病院に搬送された。
総勢20人以上の空港職員が早朝から手伝い、仕事に対する真摯な姿勢を示したことに対してKLIA第2ターミナルサービス部門のシニアマネージャーは、空港の確立された緊急対応システムを称賛した。
なお、その約3週間ほど前にもKLIA第1ターミナルで予期せぬ出産があったという。