首都圏で劇毒酒が出回る 外国人ら20人以上が死亡
2018.09.30 政治・社会クアラルンプールやスランゴール州やペラ州で20日までに密造されたとみられるアルコール飲料を飲んで20人以上が死亡した。同日までの首都圏での死亡者数は21人にのぼり、ペラ州でも2人が死亡しており、今後も増加する恐れもある。
警察や保健省などによると、今月14日あたりから密造酒を飲んだあとに吐き気などを訴えて病院を訪れる人が増え、意識不明で搬送される人もいた。20日現在で69人が被害を受け、そのほとんどがネパール人やミャンマー人、バングラデシュ人だった。
クアラルンプール市やスランゴール州警察はアルコール飲料を売る店舗などの家宅捜査を実施。クアラルンプールでは数カ所を捜査して2人を逮捕。同州シャーアラムやカジャンなどの店舗12カ所で7人を逮捕した。
死亡者が飲んでいたのは「マンダレー・ウィスキー」、「グランド・ローヤル・ウィスキー」、「ジョーカーウィスキー」、「キング・フィッシャー・ビール」、「ヴォルケーノ・ビール」の5種で、警察は家宅捜査時にこれら数千本を押収した。これらの飲料にはホルマリンの原料やアルコールランプの燃料として使われる毒性の強いメタノールが含まれており、これを飲んで中毒症状を起こして死亡した。
警察は過失殺人罪として捜査を続けている一方、当局は今後も店舗での検査なども実施する。劇毒の入ったアルコール飲料は全国に流出している可能性もあり、被害者数は今後も増える恐れも出てきている。(Mtown)