首都圏でヘイズ収拾の兆し モンスーンの風向き変わり
2019.10.03 政治・社会インドネシア・スマトラ島とカリマンタン島で行われる大規模な野焼きによるヘイズ(煙害)の被害がマレーシア各地で発生している。9月第4週目以降、クランバレー首都圏では依然として大気汚染指数(API)が101を超える「不健康」状態が続いているものの、モンスーンの風向きの変化によりこれ以上の被害は広がらないという見方もある。
24日午後3時現在、港町であるセランゴール州クランでAPIが162を記録。また、ペラ州イポーやプトラジャヤで117となった一方で、ペナンやマラッカ、ジョホールバル、サラワク州クチンではいずれも「中程度」と判断される100以下に収まった。
国家災害管理庁(NADMA)はAPIの下落について、「モンスーンの変わり目で、風向きが変わったため」と説明。これまでは南西モンスーンが強かったが、今後11月までは北東モンスーンになるため、今後はひどいヘイズにならない可能性があるとしている。
一方、野焼きを行っているインドネシア・スマトラ島のプカンバル市とジャンビ市にいたマレーシア人留学生120人は深刻なヘイズのため、24日までにジャカルタに移動した。
野焼きする
企業に罰則も
ヨー・ビーイン・エネルギー・技術・科学・気候変動・環境相は9月24日、外国で汚染を発生させるマレーシア企業に対して罰則できる新たな法律を作成していることを明らかにした。
同相によると、法律案は「国境を超えた汚染防止法案」で、現在省内で作成しており、でき次第閣議に提出する。法案では外国においてマレーシア企業またはマレーシア人が汚染関連の違反をした場合に罰則できるようにする。
今回のヘイズ問題ではインドネシア政府が、スマトラ島で運営するマレーシア企業のパーム油プランテーション4社が主な原因と批判していた。
マレーシア政府はこれを受けて、新たに法案を作成するに至ったが、国境を超えた捜査となり、施行されても検挙が不可能といった難題が発生する可能性もある。