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マレーシアが議長国に復帰ーASEANサミット、変動する世界秩序の中で注目集まる

マレーシアが議長国に復帰ーASEANサミット、変動する世界秩序の中で注目集まる

2025.05.26 政治・社会

マレーシアは2025年、10年ぶりにASEAN(東南アジア諸国連合)サミットの議長国を務める。
グローバル経済が保護主義や政治的再編の波に揺れる中、今回のサミットは過去最大規模かつ最も重要な会合となる見込みだ。


46回目となる本サミットは、クアラルンプールで本日から3日間開催され、ASEAN加盟9カ国の首脳に加え、湾岸諸国や中国などから多数の要人が参加する予定。
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、地域外交の舵取り役としてリーダーシップを発揮する意向を示している。


ASEANサミットは、地域の経済、政治、安全保障、社会・文化など多岐にわたる課題について加盟国首脳が協議する、ASEAN内で最も重要な意思決定の場である。
1976年にインドネシア・バリ島で初開催されて以来、地域協力と平和的共存の枠組み作りに貢献してきた。


過去のサミットでは、ASEAN自由貿易地域(AFTA)の締結や、日中韓、インド、豪州、ニュージーランドといった主要経済国との東アジアサミットの発足など、数々の歴史的な成果があった。

また、2015年にマレーシアが議長を務めた際には、当時のアメリカ大統領バラク・オバマ氏が出席し、中国の影響力に対抗する米国の姿勢が鮮明に表れたとされ、ASEANの国際的存在感を改めて印象づけた。


今回のサミットが注目される理由のひとつが、米国による「解放の日」関税によりASEAN各国の経済が影響を受けている点だ。
特に、鉄鋼やアルミ、そして中国製品に課された高関税は、東南アジア諸国の貿易に打撃を与えた。

専門家らは、今年のサミットが湾岸諸国や中国との新たな貿易連携を模索し、アメリカ依存からの脱却を図る重要な契機になると見ている。
また、中国の南シナ海における領有権主張を巡る問題も、会議の議題として注目される。


アンワル首相は、デジタル経済の推進を視野に、エネルギーと地域間接続性を優先課題に掲げ、ASEANをより実効性のある対話プラットフォームへと発展させたい考えを示している。
マレーシアの議長国としての役割は、同国の国際的リーダーシップを世界に示す機会となりそうだ。


来年、ASEANは設立から50年の節目を迎える。
変化の時代における地域連携の未来が、今回のサミットで方向づけられることなる。

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