ホームマレーシアニュースKL・プトラジャヤ・ペラで保育所が閉鎖相次ぐ — 需要は増加も運営難が浮き彫りに
KL・プトラジャヤ・ペラで保育所が閉鎖相次ぐ — 需要は増加も運営難が浮き彫りに

KL・プトラジャヤ・ペラで保育所が閉鎖相次ぐ — 需要は増加も運営難が浮き彫りに

2025.11.18 政治・社会

マレーシア国勢調査局(DOSM)の最新報告によると、クアラルンプール、プトラジャヤ、およびペラ州では昨年、登録済み保育施設が大幅に減少していた。登記保育所数は、クアラルンプールで 218 → 193(11%減)、プトラジャヤで 62 → 49(21%減)、ペラ州で 245 → 194(21%減)に落ち込んでいる。これにもかかわらず、同地域での保育所入所者数は上昇しており、クアラルンプールで8%、プトラジャヤで10%、ペラでは実に33%増加している。

これは、運営側が 家賃・光熱費・食費の高騰 や、厳しい 安全衛生・許認可基準の増加負担 に苦しんでいる結果だ。そのため、特に小規模な保育所が経営を維持できず、閉鎖を余儀なくされているという。

特に問題となっているのが、公共施設や職場内の保育所が民間運営者にアウトソースされているケースだ。この民間運営者は高額な賃料を支払いつつ、最低賃金を守らなければならず、月額保育料を低く抑えるプレッシャーにさらされているという。

Registered Childcare and Development Association(登録保育・発展協会)の ノルシーラ・アブドラ会長 は、州政府と連邦政府が協力して地域ベースや職場ベースの保育施設を支援する必要性を強調。具体的には、税優遇措置、賃料補助、公有施設の活用 による支援策や、行政手続きを簡素化したライセンス申請システムの導入を提案している。

また、運営の持続性を高めるには、保育士の最低賃金規定を資格と紐付ける仕組みや、TVET(職業技術教育訓練)機関・大学での研修拡充、そして低・中所得層(B40・M40)向けの保育補助制度やバウチャー制度の拡充も不可欠だとしている。

ノルシーラ会長はさらに、行政と運営者の間で 統合されたデジタル保育所データベース の構築や、簡略化されたオンライン許認可制度を通じて運営コストを軽減する改革も必要との見解を示している。

保育所数の減少と利用者数の増加という “供給の縮小と需要の拡大” のミスマッチは、中・低所得家庭にとって負担が増すリスクを孕んでおり、非登録の保育所へ流れる親も出てくる可能性がある。制度・政策両面での抜本的な対策が急務だ。

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