関連メディア
グルメシアン[外食・グルメ情報はこちら]
生活情報サイト[生活お役立ち情報はこちら]

マレーシアの教育環境における英語使用について、憲法上の位置づけをめぐる議論が高まっている。野党・国民連合(PN)の議員らからは、大学など高等教育機関で英語を使用することが「連邦憲法の枠外にあるのか」という疑問が示されており、この問題に対する国民教育諮問委員会(Malaysian Consultative Council/MPN)の議長への質疑が相次いでいるという報道が出ている。
議論の背景には、マレー語が連邦憲法で規定された国語であることの位置づけがある。首相アンワル・イブラヒム氏も先日、言語に関する議論では憲法上の国語の地位を尊重すべきだと述べており、マレー語の習熟を国民の共通基盤として強調している。英語や他言語の重要性自体は否定しないものの、憲法上の優先順位を忘れてはならないとの立場を示している。
一方で、英語は多言語社会であるマレーシアにおいて広く使われており、とりわけ高等教育や国際ビジネスの場では不可欠な役割を果たしているとの現実もある。英語が大学で使われること自体について、「憲法的に問題があるのか」という問いは、政治・教育界で議論を呼んでいる。
この言語を巡る問題は、マレー語を国民統合の基盤として守る立場と、英語など外国語の役割を教育・経済の競争力強化につなげたい立場との間での政策的調整が求められるテーマだ。特に大学における教育言語については、憲法の枠内でどのように位置づけるべきかという点が、今後も国民的な議論となる可能性がある。