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中国語の新聞媒体、中国報によると、日本での休暇中にインフルエンザに感染したマレーシア人女性が、日本の病院での1日あたりの医療費が最大1万5000リンギに達する可能性があると知り、帰国して治療を受けることを決意したという。
日本での医療制度が完備されていると考えられているが、日本への「インバウンド旅行者」へはうまく機能していない一面があるようだ。
この女性は1月初旬、家族と共に北海道を旅行中、3日目に突然の呼吸困難に陥った。
彼女は10軒以上の薬局を訪れたが、いずれの店でも「病院を受診しないとぜんそく治療の吸入器は購入できない」と告げられた。
ようやく病院に入れたものの、入院費が1泊当たり1万5,000リンギ相当を現金で支払う必要があると知り、衝撃を受けた。
旅行保険に加入していたものの、この高額な費用を負担できないと判断し、マレーシアへ戻る決意をしたという。
女性が病院に対し、現金が足りないと伝えたところ、「病院側から“自己責任で退院する”という免責書類に署名するよう求められた」と当時の様子を振り返る。
マレーシアに帰国後立ち寄った病院では、秦さんの血中酸素濃度(SPO2)が低下していることが判明し、直ちにICUに入院。
4日間の治療を経てようやく退院できたという。
どうしてこのようなことが起こったのか。いくつかの問題が考えられる。
マレーシアでは、ぜんそくの吸入薬や抗生物質を含む処方薬が薬局の薬剤師の判断で買える。
もし、その感覚で日本の薬局に行っても、日本の一般薬局の権限では処方箋のない旅行者に処方薬は販売できない。
こうした背景はおそらく日本への「インバウンド旅行者」には伝わっていないだろう。
その上で、ようやく医療機関に辿り着いても、日本では海外旅行保険を使ったキャッシュレス診療を受け付けてくれる医療機関は極めて稀だ。
場合によっては高額な差額ベッド代を請求されることも予想できる。
その上で、言語が通じないという問題も発生しそうだ。
ホテルのフロントに頼むなどして救急車を呼んでも「保険証」を持たない外国人への対応がどうなるのかは非常に疑問だ。
現在日本ではインフルエンザが蔓延中だ。
かつ台湾出身の女優、徐熙媛(バービィー・スー)さんが旧正月休暇で日本を訪問中、インフルエンザと肺炎を併発し、48歳で急死したこともあり、アジア各国では日本への旅行について万全の対策を取るよう促している。