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マレーシアの食料安全保障目標が達成困難な状況にあることが、2024年農業センサス中間報告により明らかになった。
牛肉、羊肉、キャベツ、唐辛子といった主要品目において、依然として高い輸入依存が続いている。
報告によると、2023年時点の牛・水牛肉の自給率はわずか15.9%で、国家アグロフード政策2.0(DAN 2.0)で掲げられた35.5%や、2024年までの目標値50%を大きく下回った。
羊・山羊肉も10.6%と、2018年の10.9%からほぼ横ばいのままである。
ユニバーシティ・プトラ・マレーシア(UPM)のロウ教授は、国内の繁殖用家畜の不足や小規模経営の限界が輸入依存の一因だと指摘。
また、飼料の輸入価格高騰、農地の確保難、労働力不足といった構造的問題も深刻であると述べた。
一方、キャベツと唐辛子については、自給率がそれぞれ41%(2018年は38.7%)、37.1%(同31.9%)とわずかに上昇しているが、依然として国産供給は不足している。
農業経済学者のマッド・ナシル教授は、食料生産の社会的意義に注目し、政策支援、技術導入、人材育成の三本柱が必要だと強調。
若者の農業参入を促進し、農業を「魅力的なビジネス」として再定義することの重要性を訴えた。
政府は2021年以降、農業支援に275億9000万リンギを投入してきたが、今後は生産現場の近代化と起業家育成が問われている。