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マレーシア内務省は、国境地域における汚職行為や不正登録を抑制するため、外国人デジタルID制度(Foreign Digital Identity, FDI) を導入する方針を明らかにした。これは入国地点、特にクアラルンプール国際空港(KLIA)を含むポイントで不正が横行しているとの現状を踏まえた対応策とされている。
FDI制度では、すべての外国人訪問者に対し単一のデジタルIDを付与。生体認証を用いた中央システムと連動し、指紋、虹彩、顔認証の3つの識別情報を統合して本人確認精度を高める構想だ。これによって、入国管理担当官と仲介業者間での不正取り決め(いわゆる「裏登録」)を防止する効果が期待される。
内務相 は、FDI制度の導入にあたり、「厳格な取締、技術革新、誠実性を重視する職務文化の融合によって、国境での汚職を効果的に抑制できる」と述べた。
この施策は、マレーシアが長年にわたって直面してきた外国人労働者の不法就労・登録制度の混乱・入国管理の透明性欠如などを背景としている。専門家らは、FDIによって入国管理プロセスの自動化・人為的判断の介在を減らすことが鍵になると指摘。ただし、制度運用にあたってはプライバシー保護、データ管理体制、制度濫用の防止といった課題の克服も重要視される。
今後、FDI制度の詳細設計や導入時期、既存の国籍・移民管理システムとの統合方法などが注目される。特に、制度が現場で適切に運用されるかどうかが、汚職抑制と国境管理強化の成否を左右するだろう。